AIも「3人寄れば文殊の知恵」だった|Claude Codeで検証役を分けて合格まで回す方法
- 「AIに頼んだ成果物、結局ほとんど自分で直した」
- 「直してと言ったら、今度は別のところが壊れた」
- 「これなら最初から自分でやったほうが早い」
そんな経験から、AIに仕事を任せること自体をやめてしまった方も多いのではないでしょうか。私も動画編集をAIに任せようとした時に、同じ壁に当たりました。私は録音するときにめちゃくちゃ噛むので、その言い直しのカットをAIに任せようと考えたのです。最初の結果は失敗。余計なところを切るし、切ってほしいところを残してしまい、とても使える水準ではありませんでした。
ですが、「Claude Codeの実力はそんなものではないはずだ」と考えて、AI同士にチェックさせる仕組みづくりに着手しました。人間の仕事でも作業者とチェック担当を分けるとうまくいく場面が多いように、AIも「作る役」と「検証する役」を分けて、基準に届くまでやり直させると、出てくるものが変わると思ったのです。
結果は大成功。私がやったのは、カット結果を検証するサブエージェントを3人立て、その3人のAIに別々の角度から確認してもらい、基準に届いていなければ作業役に差し戻してやり直してもらうというもの。Claude Codeに依頼してフローを組み直したところ、動画作りで一番時間のかかっていた言い直しカットの作業が、体感として3分の1程度になりました。「結局自分で直す」という状態から抜け出せたのです。
私はUdemyのコースを作っており、1コース作るのに動画本数が数十本になることもあります。前述のカット編集の面倒さは、動画を撮るモチベーションにも大きな影響を与えていました。言い直しのカットは「どんだけ噛むんだよ」と自分にツッコミを入れながらになりますので、精神的にも良くありません。人に任せようにも、恥ずかしすぎて頼めない。それらを全て解消することができ、結果として動画を出すスピードを上げることもできました。
本記事では、私が今回の仕組みを作った「考え方」についてお伝えします。記事上部の「Markdownとしてコピー」のボタンからコピーして、あなたのClaude Codeに読み込ませることで、同じ仕組みを再現できるはずです。
本記事で紹介している内容は、Claude Codeのようなエージェント型AIで組むことを前提としています。チャット型AI(ChatGPTなど)でも、採点役を作って1回ずつ評価させることはできますが、基準に届かなかったときの差し戻しとやり直しを、人手を介さず自動で回すのはエージェント型AIが得意とする領域です。
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- 一発出しで失敗した作業を「検証とやり直しのループ」で任せられる水準に変える組み方
- 作る役と検証する役を分けると精度が上がる理由
- コピーしてそのまま使えるサブエージェント定義のひな形と4つの手順
- 時間と料金を溶かさないためのやり直し上限の置き方
この記事の著者

Kaoru Yakabi
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
/ ウェブ解析士 / Udemy講師
上場企業のインハウスマーケターとして営業リード・採用獲得のWeb戦略に従事したのち独立。「Webマーケティングの民主化」をミッションに、中小企業への計測環境構築やAI活用支援を行う。Udemyでは受講生8,000名超、ベストセラーコース多数。
必要なものはClaude Code(エージェント型AI)だけです
一発出しで失望した作業も、合格基準を書ける作業であれば、届くまで自動でやり直すループを組むことで任せられる水準に変わります。必要なものはClaude Codeだけです。チャット型AIでも採点まではできますが、差し戻しとやり直しを自動で回すには、チェックの担当を自分で定義できるエージェント型AIが要ります。効くのは繰り返す作業で、そのぶん処理量(時間と料金)は増えます。
この記事でできること・必要なもの
この記事で組めるようになるのは、自分の繰り返し作業に「検証とやり直しのループ」を足す仕組みです。私の題材は動画のカット編集ですが、文章の作成、データ整理、チェック作業など、合格基準を文章で書ける作業なら同じ形で組めます。この記事をまるごとコピーしてClaude Codeに貼れば、後半の4つの手順に沿って、自分の作業用の仕組みを一緒に組み立てられます。
用意するのはClaude Codeだけ。Claude CodeはAnthropicが提供するエージェント型AIで、チャット画面で1問1答するのではなく、自分のパソコンのフォルダの中で動き、頼んだ作業をAI自身が進めてくれます。利用は有料プランが前提です。また、ループ処理にはトークンを多く消費するため、Maxプランの利用を推奨します。
採点するだけならチャット型AIでも可能
チャット型AIで採点役を作る使い方は、それ自体が有効です。私もチャット型のGeminiやChatGPTで、記事をオリジナリティや正確性といった観点ごとに0〜5点で採点する評価Botを作って使ってきました。基準を決めて採点させるところまでは、チャット型AIで十分に機能します。
以下の記事で紹介しているやり方です。
そこで作った「基準」と「採点」の経験は、そのままClaude Codeに渡すことで、評価基準として使えます。
チャット型では、基準に届かなかったときに毎回「ここを直して」と頼む必要がありますが、エージェント型AIならその部分を全てAI側で完結してもらえます。
エージェント型AIなら自動で回せるが向き不向きと料金の壁がある
Claude Codeなら、自分で決めた基準でチェックする担当を自分で定義し、基準値に届くまでのやり直しをAI側に任せられます。人間は、基準を満たしたものだけを受け取って、判断だけをすればよくなるということです。
このやり方に向くのは繰り返しのある作業です。一度きりの作業だと、基準を書き出す時間のほうが長くかかってしまうので、逆に効率が悪いかもしれません。私のように、「動画を何十本も編集する」みたいな作業の時には威力を発揮します。
処理量が増える点も知っておいてください。チェック役3人でやり直し最大3周なら、処理の量は一発出しの何倍にもなり、時間も料金(トークン量)もそのぶん多くかかります。
一発出しで失敗したカット編集を、検証とやり直しの仕組みに組み直した
冒頭で書いたとおり、私は動画を撮るときによく噛むので、言い直しのカット編集をAIに任せようとしました。一発出しでは失敗しましたが、カット結果をチェックする担当を別に立てて、基準に届くまでやり直す仕組みに組み直したところ、一番時間のかかっていた作業が体感として3分の1になりました。同じやり方を、文章や図解作成にも応用できます。
以下の記事で解説している図解作成についても、ループを組むことでクオリティが上がってきています(「ある程度ダサさが残っているか」という判定)。
一発出しは失敗だった
やろうとしたのは、「動画の文字起こしを読んで、噛んだり言い直したりした箇所をAIが判定し、その部分のタイムスタンプを取って不要な箇所だけを削除する」という作業です。動画作りのなかで一番時間を取られていたのがこの言い直しカットだったので(我ながらあきれるくらい噛みます)、ここを自動化できれば一番大きいと考えていました。
結果は失敗でした。余計なところをカットしてしまう。かと思えば、切ってほしいところをそのまま残してしまう。返ってきたものは、そのまま使える水準ではありませんでした。
検証担当を3人立てて、合格までやり直す形に組み直した
そこで、カット後の文字起こしが「ちゃんとした日本語になっているか」を判定する担当を、作業役とは別に3人立てました。3人の角度は分けています。
- 切るべき箇所を探す係(攻め):切り損ねた言い直しや言いかけの断片を積極的に探す
- 切ってはいけない箇所を守る係(守り):文の語尾や次の文への橋など、消してはいけない部分が切られていないかを確認する
- 通して読む係(通読):残った文章だけを順に読み、日本語として自然かを確認する
この3人は互いの結果を見ずに、別々に判定します。1人でも不合格を出せば、指摘を作業役に返してやり直させます。
チェック役を1人にしない理由は、実際に試して分かりました。1人だと、私が「切りすぎでは」と指摘したあと、緩める方向にだけ判定が寄っていき、切るべき箇所の検出が甘くなったのです。角度を分けて複数にし、互いの結果を見せない形にすると、この偏りが消えました。
1つ書き添えておくと、実用水準に届くまでには、このループのほかに、処理の分け方の見直しといった作り込みも必要でした。「チェック役を3人立てたら一気に直った」という単純な話ではなく、やり直しのループを含めて仕組み全体を組み直した結果です。

結果:一番時間のかかっていた作業が、体感として3分の1になった
組み直した仕組みで回すようになってから、8割ほどはそのまま使えるカット結果が返ってくるようになりました。動画作りで一番時間がかかっていた言い直しカットの作業は、いまは体感として3分の1くらいで済んでいます。
まだ精度は完璧ではなく、手作業での編集も必要ですが、「AIに任せても結局自分で直す」から「返ってきたものをほぼそのまま使う」に変わりつつあることは、はっきり実感しています。
なぜ検証役を分けると精度が上がるのか
人間の仕事でも、作業者とチェック担当を分けるとうまくいくパターンが多いと思います。AIも同じで、作る役と検証する役を分けてループさせるのは、Anthropicの公式ドキュメントにも型として載っている組み方です。私は動画だけでなく、文章作りでも同じ組み方で回しています。
作業者とチェック担当を分けると効果的なのは人間もAIも同じ
自分で作ったものを自分で検品すると、どうしても甘くなります。職場で作業者とチェック担当を分けるのは、この偏りを消すためだと私は考えています。AIでも構図は変わりません。作った本人に「見直して」と頼むより、チェックだけを受け持つ担当を別に立てたほうが、指摘が具体的になります。
「3人寄れば文殊の知恵」ということわざがありますが、AIも同じでした。
文章作りでも同じ組み方で回している
記事を作るときも、構成案と推敲の2箇所で、複数の担当に別々の角度から原稿を確認してもらっています。私がチェックしてもらっているのは、「私の文体に合っているか」「文章の中に矛盾がないか」「これまでに書いてきた話と矛盾していないか」という3つの観点です。
こちらは合格基準を点数で決めていて、届くまでやり直しさせます。ただし上限は3周まで。上限まで回して届かなければ、AIに続けさせず私が引き取ります。
Anthropicの公式ドキュメントにも型として載っている
1つのAIが作り、別のAIが評価とフィードバックをループで返す。この組み方は、Anthropicの公式ドキュメントに型として定義されています。公式が挙げる適用条件は2つ。「明確な評価基準があること」「やり直しで改善が見込めること」です。次の章の手順が「合格基準を先に決める」から始まるのは、このためです。
自分の作業に組み込む4つの手順
組み方は4つの手順に分かれます。合格基準を先に決める、検証の角度を決める、検証担当をサブエージェントとして定義する、やり直しの上限回数を決める、の順です。この章をClaude Codeに貼れば、自分の作業でそのまま組めます。
手順1:合格基準を先に決める
「何が出てきたら合格か」を文章で書けること。これがこの組み方の前提です。先ほど書いたとおり、この型が効く条件は「明確な評価基準があること」なので、基準づくりを最初に置きます。
「いい感じかどうか」みたいな感覚ではなく、チェック担当が機械的に判定できる形まで具体化します。私が実際に使っている基準は、たとえば次のような形です。
- 動画:残った文章だけを通して読み、日本語として通ること。言葉の欠けや重複が1つも残っていないこと
- 文章:お手本に照らして100点満点で採点して90点以上であること
お手本の実物を基準に据えるのも1つの方法です。私は文章では、公開済みの自分の過去記事をお手本に置き、「これと並べて遜色ないか」で判定させています。あわせて「迷ったら残す(消す側に倒さない)」のような優先ルールを書き添えると、判定のブレが減ります。
手順2:検証の角度を決める(1人にしない)
次に、どの角度からチェックさせるかを決めます。攻め(問題を探す係)、守り(壊してはいけないものを守る係)、通読(全体を通して自然かを見る係)の3方向で考えると分けやすいと思います。
チェック役は必ず複数用意します。前の方でも書いたとおり、1人だと指摘を受けた方向にだけ判定が寄っていってしまうからです。角度を分けて複数立て、互いの結果を見せない。この形のほうが、明らかにクオリティが上がります。
人数は3人が正解というわけではなく、角度の数だけ立てると考えると良いと思います。
手順3:検証担当をサブエージェントとして定義する
Claude Codeでは、チェックの担当をサブエージェントとして定義できます。サブエージェントは、それぞれが独立した文脈で動いて、結果だけを返してくる仕組みです。公式の作例にも、コードの出来をチェックする担当があります。
参考:カスタムサブエージェント – Claude Code Docs
定義に書くことは4つ。役割(何をチェックするか)、見る角度(何だけに集中するか)、合格基準(手順1で決めたもの)、返す形式(合格・不合格と理由)です。次のひな形をコピーして、角カッコの中を自分の作業に書き換えれば、そのまま使えます。
以下の作業を、検証とやり直しのループ付きで実行してください。
## 作業の内容
[任せたい作業。例:動画の文字起こしを読み、言い直し・噛みの箇所を判定して削除する]
## 合格基準(機械的に判定できる形で書く)
[例:削除後の文章だけを通して読み、日本語として通ること。言葉の欠けや重複が1つも残っていないこと]
[例:お手本のファイル(過去の完成品)と並べて遜色がないこと。迷ったら消さずに残すこと]
## 検証担当(それぞれをサブエージェントとして定義し、互いの結果を見せずに並列で判定させる)
- 担当1(攻め):[例:削除し損ねた言い直しや言いかけの断片を積極的に探す]
- 担当2(守り):[例:文の語尾や次の文への橋など、削除してはいけない箇所が消されていないかを確認する]
- 担当3(通読):[例:残った文章だけを順に読み、不自然な箇所を指摘する]
## 返す形式
- 判定:合格か不合格か
- 不合格の場合:問題のある箇所と理由を1件ずつ列挙する
## やり直しのルール
- 担当が1人でも不合格を出したら、指摘を作業役に返してやり直す
- やり直しは最大[3]周まで。上限に達しても合格が出なければ作業を止めて、私に報告する上記を試してうまくいけば、スキルとして固定します。
手順4:やり直しの上限回数を決める
「合格まで無限にやり直す」というループは危険なので組みません。上限のないループは、止まらなくなったときに時間と料金を溶かしてしまうからです。私の場合は、AIに繰り返し作業してもらう際の上限は3周と決めています。
上限まで回しても基準に届かないときは、AIに続けさせず人間に戻します。届かない原因の多くは、基準が曖昧か、厳しすぎるか、渡した材料が足りないかのどれかです。基準側を見直してから、仕組みを再開します(この部分の調整には、結構な労力を使うと思います)。
基準を見直しても、どうしても機械的に判定できる形にならない作業もあります。その場合は、無理にループ化しないようにしています。
まとめ:一発出しの精度で、AIを見限らなくていい
一発出しの精度に不満を感じたとしても、それはAIの実力の上限ではないかもしれません。検証役のサブエージェントを作り、基準に届くまでやり直すループを渡せば、出てくるもののクオリティは格段に変わります。
私の動画カットも、最初の一発出しは失敗でした。あそこで見限っていたら、言い直しカットに費やす時間はいまも変わっていなかったと思います。「いや、お前の実力はそんなものじゃないはずだ」とClaude Codeと議論し、こちらからもアイデアを与えたことで、今回の仕組み化に辿り着きました。
エージェント型AIを使っているなら、自分の作業の合格基準を与えた上で「複数のサブエージェントでチェックして」と伝えてみてください。
Claude Codeの初期設定キットを配布中

この記事で使っているClaude Codeの初期環境について、簡単にセッティングできるキットとミニ講座を用意しました。
以下のフォームからメールアドレスを登録いただくことで、無料で受講することが可能です。



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