AI生成記事は検索エンジンやユーザーからどう評価されるのか

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  • 「AIで書いた記事は、Googleにインデックスされないんじゃないか」
  • 「検索上位に出ることはないし、読者の役にも立たない」
  • 「何より、信頼性に欠けるし、SEO的にもリスクがある」

そんな風に思っていないでしょうか。

2025年3月から本格的に生成AIを使い始め、半年以上運用してきた今だから言えるのは、「AIを使って作った記事でも成果は出せる」ということです。

ただし、ここでいう「AIを使って作った記事」というのは、いわゆる「AI生成記事」ではありません(後述します)。

実際、私が運営するサイト「Web改善のレシピ」では、生成AIを活用して作成した記事がすべてインデックスされ、検索上位に表示されているものもあります。

人力で書いた記事と生成AIを活用して書いた記事のSearchConsoleデータの比較。

AI活用記事が、サイト全体のアクセスの約3割を占めるまでに成長しました。サイト内でのユーザー行動も、読了率は通常記事を上回り、CVRやCTAも「許容できる範囲」に収まっています。

サイト全体に対する生成AI活用記事のアクセスボリューム

とはいえ、やみくもにAIを使えばいいという話ではありません。重要なのは「どのように使うか」です。私は「生成AIで作成する」のではなく、「生成AIを”活用して”作成する」という点を大切にしています。

生成AIは、「成形だけ任せるツール」として活用し、コンテンツの企画・主張・経験は人間である私自身が担っています。この「共創型」のスタイルが、最小の工数で最大の成果を生むカギとなっているわけです。

この記事では、私の実践をもとに、生成AIでSEOにも読者にも評価される記事を作るための具体的な考え方と手法を、データとともに解説していきます。

本記事の内容についてはYouTube動画でも解説しています。

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Web改善のレシピでの実践:共創型AIライティングとは

まず初めに、「生成AIを活用して作成する記事」というものがどんなものなのかを解説しておきます。

当サイトが記事制作に生成AIを使う上で意識しているのは、「AIに何を任せて、何を自分でやるか」を明確に分けるということです。

私が採用しているのが、「共創型AIライティング」という考え方です。

  1. 【人間】企画や主張、構成を「コンテンツの種」としてまとめる
  2. 【AI】「コンテンツの種」を生成AIに入力し、文章という体裁に整えてもらう
  3. 【人間】AI特有の違和感や論理の飛躍を人間が修正し、文体を整える

このように、「人間が考える部分」と「AIが成形する部分」を明確に分けて記事を作成することで、「効率」と「品質」の両立が可能になりました。私はこの生成AIの使い方を「電動ノコギリ的な使い方」と読んでいます。これまで手動で成形していた部分を電動化(効率化)しただけということです。

この「共創型AIライティング」を取り入れてから、記事1本にかかる時間は、従来の5分の1以下に効率化。にもかかわらず、記事品質は以前より高まったと感じています。後述しますが、AI生成記事の読了率は精読率は従来記事を上回っています。

データで見るAI記事の成果:読了率・精読率・検索順位

AI記事に検索順位がつくとはいえ、「実際に成果が出ているのか?」と気になる方も多いでしょう。

実際のデータをもとに、生成AI記事と従来記事のパフォーマンスを比較してみます。

まずはCVRのデータ。従来記事の直近3ヶ月のCVRは0.05%、AI活用記事は0.04%という結果でした。数が少ないため有意な比較とはなりませんが、従来記事の方が若干高く出ました。

人力で書いた記事と生成AIで書いた記事のCVRの比較

次はCTAクリック率のデータです。従来記事の直近3ヶ月間のCTRは0.99%、AI活用記事は0.88%。こちらも従来記事の方が生成AI活用記事を上回りました。

人力で書いた記事と生成AIで書いた記事のCTAクリック率の比較

AI活用記事の方がCVR・CTAクリック率ともにやや低い傾向という結果となりましたが、これはダウンロード資料(GA4関連)との相性が良くない話題にも手を広げていることが影響していると思われます。

CTAの配置やフォーム設計、ダウンロード資料との相性については、今後さらに調整していく必要があるでしょう。

ただ、ここで見落としてはならないのは、「このコンバージョンは、生成AIを活用しなければ得られていなかった」という点です。AIを使うことで「コンバージョンの母数そのものが増えている」という見方もできます。

加えて、ページ内の行動データを見ると、明らかに前向きな傾向が出ています。以下は、当サイトで計測している「読了率」「精読率」のデータです。こちらは従来記事よりも生成AI活用記事の方が高くなりました。

人力で書いた記事と生成AIで書いた記事の読了率と精読率の比較
指標の定義

読了率や精読率という指標はGA4のデフォルトには存在しませんので、以下のような条件で集計できるようカスタムイベントを作成しています。

読了

記事の最後の見出しが表示されたことを「読了」と判定

精読

読了に加え、記事に一定時間(記事ごとに異なる)とどまったことを「精読」と判定

読者は、生成AI記事であってもしっかりと読んでくれているらしいということがわかります。コンテンツの質そのものは、少なくとも悪くはなさそうだと判断できます。

「AIの使用」が評価やペナルティの対象ではない

「AIで書いたらGoogleに嫌われて、SEO的に良くないのでは?」という不安を抱いている方も、少なくないでしょう。

Googleは公式にこう述べています。

AI や自動化は、適切に使用している限りは Google のガイドラインの違反になりません。

AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス – Google Search Central Blog

AIを使うこと自体は評価の対象ではありません。評価の本質は、そのコンテンツがどれだけ役に立つか、信頼できるかという点にあるのです。「何を使って書いたか」ではありません。

では、Googleが求める「価値のあるコンテンツ」とは何か。検索品質ガイドラインでは、次のような点が重視されています。

  • 正確性
  • 独自性(自分の経験や見解)
  • 構造化(読者にとって読みやすい設計)
  • 読者にとっての有用性

内容が正確なのは当たり前だとして、「独自性があり、読みやすく、読者の課題を解決する記事」ということです。「独自性」というのがわかりづらいかもしれないので補足をすると、「他にはない切り口や視点」のことだと私は思っています。例えば、この記事でも「AIは文章の成型ツールとして使う」といった独自視点を用いて論理展開しています。

「正確性」「構造化」「課題解決」はAIにもできるかもしれませんが、「独自性」のある記事は人間の筆者にしか書けません。人間が主張や経験をもとに「コンテンツの種」を用意し、それをAIが整える。この役割分担によって、Googleが求める「中身の濃さ」を実現しながら、作業効率も高めることができるのです。

逆に言えば、「中身が薄く、ただAIに書かせただけ」の記事は、今後どんなにテクノロジーが進化しても評価されることはないでしょう(これは人間が書こうとも同じですね)。

「AI記事がペナルティを受けるのか」という内容は、以下の記事でも書いています。

成功の鍵は「コンテンツの種」にある

生成AIを活用するうえで、私が最も重視しているのは、「AIに何を渡すか」です。

具体的には、「この文章で何を伝えたいのか」「どんな経験を共有したいのか」といった「コンテンツの種」(「原液」と呼ぶ人もいますね)を、どれだけしっかり作れるかどうか。

生成AIは万能ではありません。どんなに高性能なモデルでも、与えられた情報が曖昧であれば、出力される文章も曖昧になります。つまり、「材料」の質が悪く指示が曖昧だと、どれだけ上手に「調理」されても味はしません。

たとえば、私の場合は次のような情報を必ず整理してからAIに渡しています。

  • 記事の目的とゴール
  • 想定読者の悩みやシチュエーション
  • 伝えたい主張とそれを裏付ける実例
  • 自分の経験に基づく考察やエピソード
  • 書き手のプロフィール
  • 参考となる資料やデータのリンク

こうした「人間らしい意図」や「経験の断片」があるからこそ、AIも自然な流れの文章を出力できるのです。

逆に、主張が曖昧だったり、具体例が乏しかったりすると、AIは当たり障りのない一般論しか返してくれません。「◯◯というキーワードを元に書いて」で良い記事ができないのは、そんな理由があるからです。

だからこそ、「自分の主張」や「読者の悩み」といった文章の核になる部分は、絶対に人間が担うべきなのです。

生成AIの役割は、あくまで整形や体裁を整える部分。つまり、「型に落とし込む」作業をサポートしてくれるツールとして使うのであって、「考えること」までAIに委ねてはいけません。

「良いアウトプットは、良いインプットからしか生まれない」

まさに、プログラムの世界で言われている「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れると、ゴミが出てくる)」そのものです。

AIに渡す情報について、詳しくは以下の記事で解説しています。

まとめ

生成AIを使って記事を書くことは、もはや「裏技」でも「妥協」でもありません。そろばんから電卓、電卓からExcelへと変遷したように、AIで文章を書くことは新しいスタンダードとして確実に進化しています。

私が実践してきた「共創型AIライティング」は、人の経験とAIの整形力を掛け合わせることで、短時間で高品質な記事を生み出す仕組みを確立しました。企画や主張は人間が考え、AIがそれを形にする。このシンプルな分業こそが、効率と成果の両立を可能にします。

重要なのは、「AIを使うこと」そのものではなく、どんな意図をもって使うかです。あなたの中にある経験、気づき、課題解決のノウハウ。それをAIがサポートするだけで、読者に届く文章へと生まれ変わります。

「AIに任せていいのだろうか」と迷うより、影響の少ない小さな記事から試してみてください。構成だけAIに任せる、言い回しを整えてもらう。それだけでも、文章の完成度は大きく変わります。

AIは、あなたの代わりに書くのではなく、あなたの思考を拡張してくれる存在です。

今日から、AIを「時短ツール」ではなく「共創のパートナー」として迎えてみてください。その一歩が、あなたの発信力を何倍にも伸ばすはずです。

本記事で紹介した「共創型AIライティング」については、Udemyコースとして体系的にまとめています。以下のリンクから内容をチェックしてみてください。

「共創型AIライティング」実践講座

「伝えたいけど言葉にできない」「時間がない」という方が、生成AI(ChatGPT)と協力しながら「自分らしい文章」を書けるようになるための講座です。

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屋嘉比 馨
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
ウェブ解析士協会所属・ウェブ解析士。
ラジオ局、広告代理店などに勤務ののち、大手SIerのWebマーケティング担当に。主にオウンドメディア、広告運用にて営業リード・採用応募獲得に貢献。
2022年に独立し、ボーダーヘイズ・ジャパンを設立。
これまで100サイト以上の改善・計測環境構築に貢献した経験をもとにUdemy講師としても活動中。受講生4,600人以上、Udemy Business認定コースも含めベストセラーコース5本を抱える。

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