バナーがクリックされないのは単に「気づいてもらえていないだけ」かもしれない
- 「CTAを置いているのに、ぜんぜん成果が出ない」
- 「やっぱり記事を増やしてPVを伸ばすしかないのか」
- 「バナーを増やすと、うるさいサイトだと思われそうで怖い」
サイト内のCTA(自社サービスへのバナーやアフィリエイト広告、申し込みへの導線)で成果が出ないとき、「記事を増やしてPVを伸ばす」といった、時間のかかる施策から考え始める方も多いのではないでしょうか。ですが、成果が出ないのは、単に「読者に気づかれていないだけ」かもしれません。気づかれないからクリックされず、クリックされないから成約にもつながらない。それが原因なら、記事を何本増やしても根本からは解決しません。
本記事では、私が運営しているフィットネス系のWebサイトで、「広告の露出を増やすと、アフィリエイト案件(1件あたり約7,000円・成果地点は申し込み)の成果はどれだけ伸びるのか」を検証した結果を公開します。
改修前の記事は導線がテキストリンク中心で、少数のバナーはほとんどクリックされていない状態でした。そこへ、「本文バナー」「画面下部の追従バナー」「スライド表示のポップアップ」の3種類を記事内に増やしたところ、主力記事のクリック率は1.4〜2.6%から5〜7%に、この案件の成果発生は月0.5件から月4.75件に増えました。

PVを増やそうと努力する前に、「CTAの数は適切か」「見られているか」「クリックされているか」という3つをデータで確かめてみてください。バナーを増やすことへの「うるさいサイトだと思われそう」という抵抗感も、配置やポップアップの出し方を工夫することで軽減できます。
まずは、自分のサイトのCTAを読者にしっかり見せる。この記事では、その一手がどれだけ効いたかを、私の実測データでお見せします。
- CTAで成果が出ない本当の原因
- バナーを3種類増やして成果発生が9.5倍になった実測データ
- 「目立たせるだけ」で終わらせないための3つの注意点
- CTAの表示とクリックをデータで確かめる方法
この記事の著者

Kaoru Yakabi
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
/ ウェブ解析士 / Udemy講師
上場企業のインハウスマーケターとして営業リード・採用獲得のWeb戦略に従事したのち独立。「Webマーケティングの民主化」をミッションに、中小企業への計測環境構築やAI活用支援を行う。Udemyでは受講生8,000名超、ベストセラーコース多数。
実例:導線がテキストリンク中心だった記事にバナーを3種類増やした
今回検証したのは、私が運営するフィットネス系のアフィリエイトサイトです。2026年4月に行った改修の中身から紹介します。
改修前のこのサイトは、導線がテキストリンク中心でした。バナーも少数置いてありましたが、クリックはほとんどなし。前年の同じ期間は、主力記事のクリック率(クリック数÷PV・GA4の実測)は1.4〜2.6%のまま推移していて、導線は何年もほぼ置きっぱなしの状態でした。
今回の検証では、記事内にバナーを以下のように3種類増やしました。
- 本文バナー:記事本文の途中、読み進める流れの中に置くバナー
- 画面下部の追従バナー:スクロールしても画面の下に残り続けるバナー
- スライド表示のポップアップ:ページを読んでいる途中に、画面にスライドして現れるバナー

実装の手段は特別なものではありません。本文バナーは広告タグの貼り付けで、追従バナーやポップアップはWordPressのプラグインやテーマの機能で実装しています。
ただし、追従バナーやポップアップは、モバイルの閲覧体験を損ないやすい形式です。過剰な広告表示は検索評価に影響しうる、という指摘もあります。ですので、感覚で貼って終わりにせず、表示とクリックを測りながら使うことを前提にしてください。測り方は後半の章で紹介します。
貼りすぎ感は、出し方の工夫でも抑えられます。私のサイトでは、ポップアップは訪問から60秒後に表示する設定にしています。ページを開いた瞬間に画面へ覆いかぶさると、読み始めたばかりの読者の邪魔になるからです。60秒読み進めてくれた読者なら、記事の内容に関心を持っていると判断できます(正直、ここまで貼ると読者に嫌がられないかと、私も最初は思いました)。ですが、読者はこちらが思っている以上に記事を読み飛ばします。特にスマホはスクロールが速く、本文の途中にあるリンクは目に入らないまま過ぎていくだけです。目に入らなければ、嫌がられる以前に、存在に気づいてもらえません。
これらのバナーを導入した日、早速広告から申し込みがありました。それから4ヶ月、初日の申し込みが単なる偶然ではないことがわかっていきます。
結果:クリック率2.5倍・成果発生は9.5倍になった
広告バナーを増やした月からの推移は以下のとおりです。クリック率は2.5倍、成果発生(申し込み)は9.5倍になりました。

| 期間(案件全体・ASP集計) | クリック | 発生 |
|---|---|---|
| 導入前(2025年12月〜2026年3月) | 284回 | 2件(月0.5件) |
| 導入後(2026年4月〜7月) | 1,544回 | 19件(月4.75件) |
前年同期が月0.5件から月4.75件に増えていますので、季節要因では説明がつかない増え方です。
発生した19件のうち12件は、今回増やしたバナー枠からの直接発生でした。「気づいてもらう接点を増やしたら、そのぶん成約も増えた」という素直な結果です。
説明のつかない変化も1つあります。バナー以外は触っていないのに、テキストリンクのクリックも前年同期の98回から207回へ倍増していました。バナーによるリフト効果かもしれませんが、ここは因果関係がはっきりしません。
3種類の中で最も多くクリックを集めたのはポップアップ広告でした。その一方で、1クリックあたりの成約率は最も低く、実測ではおよそ200クリックに1件です。スクロール中の誤タップも混ざっていると見ています。それでも、量が成果を作りました。成果発生の直接の要因の1つです。
気をつけたいのは、「クリックが増えた=読者の反応の質が上がった」ではないということです。ポップアップを増やすと、サイト全体のクリック指標が薄まり、データを読み誤りやすくなります。
CTAの成果を上げるセオリーは、「読者の文脈に合っていること」。文脈に合っていないCTAは、たとえ目立たせてもびっくりするほどクリックされません。あるいは、誤クリックを誘発するだけだったりします。
「目立たせる」が効くのは、原因が「気づかれていない」ときだけです。表示は足りているのに押されていないなら、直すのは目立ち方ではなく、CTAの前後の文脈と文言のほうです。
この辺りはデータと実際のサイトの見た目などから、枠ごとに見極めていくことをおすすめします。
PVを増やす前にデータで確かめる
今回行った検証をするために、2つの指標を使いました。
- PVあたりのCTA表示数(CTA表示数÷PV)
- PVあたりのクリック率(CTAクリック数÷PV)
指標1:PVあたりのCTA表示数
まずはCTAが見られているかを知るために、1PVあたりのCTA表示回数を見ます。この指標を記事ごとに一覧にすると、1PVあたりの表示が1回を割っている、つまり成果地点が一度も画面に出ないまま読み終えられている記事が見つかることも珍しくありません。そうした記事が「広告に気づいてもらえていない記事」の第一候補です。

正確にいうと、計測で取れるのは「読者の画面に表示された回数」です。表示されていても読まれていないことはあります。それでも、表示すらされていなければ、見られることもありません。表示回数は「見られる機会」の数だと考えてください。
データはGoogleタグマネージャーの「要素の表示」トリガーでCTAの表示回数を取り、PV(GA4でいう表示回数)を分母にした数字を見ます。
指標2:PVあたりのクリック率
CTAを増やす前と増やしたあとの前後比較をするために、クリック率も計測します。
こちらはサイト全体の他、記事単体でも計測します。記事の内容により、広告のクリックのされやすさが変わるためです。成果の上がりやすい「主力記事」のクリック率を重点的に観察するようにしましょう。

こちらの指標は、Googleタグマネージャーの「要素のクリック」または「リンクのクリック」トリガーでCTAのクリック数を取り、PV(GA4の表示回数)を分母にしたクリック率を見ます。
計測設定の方法(動画)
計測設定の方法については、以下の動画で詳しく解説しています。
記事では、以下のものが参考になるはずです。
ポイント:すぐに結論を出さない
私の場合、バナーの表示を増やしたその日から成果が上がりました。ただ、数字が動いても、すぐに結論を出さないでください。月単位で見る。最低でも1ヶ月、できれば同じ季節の前年と比べる。これが判断の目安です。私自身、今回の実例では4ヶ月分のデータと前年同期との比較まで待って、ようやく「本物の増加」と判断しました。
データさえ貯まってしまえば、分析はClaude CodeなどのAIエージェントに任せられます。人間の仕事は、データを貯めることと、仮説を立てることです。
データをとるときのコツは、分析結果から逆算して「データを設計する」ということ。今回、枠ごとの切り分けができたのも、どのバナーが何回表示されて何回クリックされたかを、枠ごとに分けて取っていたからでした。アフィリエイト広告の場合は、計測したい箇所ごとに別の広告リンクをとる、CTAの場合にはIDを付与して区別できるようにするなど、データをとる前段階で仕込んでおくのが重要です。
まとめ:まずCTAを読者にしっかり見せることから
CTAは目立たせるだけでも成果が上がります。
私のサイトも、導線を何年もほぼ置きっぱなしにしていました。成果が出なかったのは、記事の質の問題ではなく、読者に気づかれていなかっただけだったのです。
ただし、バナーを目立たせることの役割は「気づいてもらう」という段階までです。クリックの先の成約は、文脈・文言・読者の温度で決まります。季節性のある案件では、成約率が落ちる時期もあります。この限界を分かった上で使えば、「CTAを目立たせる」という施策は、記事を増やすよりずっと早く打てる一手です。
まずは、自分のサイトのCTAが読者に見えているか、表示のデータを取るところから始めてみてください。データが貯まれば、その先の分析はClaudeに任せられます。
Claude Codeでの分析・改善のやり方は、以下のUdemyコースで実践形式でお伝えしています。興味のある方は参考にされてください。
Claude Codeに任せて、Web改善を毎週回す


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