GA4でQRコードのアクセスを計測する方法|YouTube動画やチラシの効果を可視化しよう
QRコードからのアクセスをGoogleアナリティクスで分析したい
このようなお悩みに応える記事です。
近年、YouTube動画のテレビ視聴が増えた影響で、動画内にQRコードを掲載し、ランディングページに誘導するケースが増えています。スマートフォンでQRコードを読み取るだけで簡単にアクセスできるため、動画視聴者をスムーズに次のアクションへ導くことができます。
また、チラシなどのリアル媒体にQRコードを掲載しWebに誘導しているケースもあるでしょう。

しかし、このQRコード経由のアクセスが、どれだけ集客に貢献しているのかを把握できていますでしょうか?
実は、ランディングページのURLをそのままQRコードにしても、GA4では「どこからのアクセスか」を判別できません。QRコードを経由したアクセスなのか、検索やSNSから来たのか、すべて同じ「Direct(直接流入)」としてカウントされてしまうのです。
そこで役立つのが「UTMパラメータ」です。UTMパラメータをURLに追加することで、QRコードごとに流入経路を区別し、GA4の「集客レポート」で正確にアクセスデータを分析できます。特に、YouTubeの各動画ごとに異なるUTMパラメータを設定すれば、「どの動画からの流入が多いのか?」を把握することが可能になります。
例えば以下は、UTMパラメータを付与したURLのアクセスをGA4の画面で表示したものです。私の場合には、動画の概要欄のURLにUTMパラメータを付与していますが、QRコードからのアクセスも同じ方法で把握することができます。

本記事では、GA4でQRコードのアクセスを計測する方法を詳しく解説します。UTMパラメータの作成方法から、Chromeを使ったQRコードの作成手順、GA4でのデータ分析の仕方まで、初心者でも実践できるステップを紹介していきます。
GA4でQRコードのアクセスを計測するためのUTMパラメータとは
まずは、UTMパラメータというものが何なのかを理解しておきましょう。
UTMパラメータとは、URLの末尾に追加することで、アクセスの流入元を識別するためにURLに追加する文字列のことです。何を言っているのかよくわからないと思いますので、以下に例を挙げます。
https://example.com/?utm_source=youtube&utm_medium=qr_code&utm_campaign=promotion_video1
上記のURLのうち、「?utm_」から始まる文字列がUTMパラメータです。
では、このパラメータがどんな役割を担うのか、さらに詳しく見ていきましょう。
UTMパラメータの基本要素
UTMパラメータは、一見すると意味のわからない文字の羅列ですが、分解してみると主に以下のような3つの要素で構成されていることがわかります。
パラメータ | 役割 | 値の例 |
---|---|---|
utm_source | 流入元メディア名 | youtube |
utm_medium | 流入元メディアの種類 | qr_code |
utm_campaign | 流入元キャンペーン | promotion_video1 |
1つの要素は、パラメータと値のセットで成り立っています。
上記の分類を踏まえた上で、先ほど例として挙げたUTMパラメータ付きのURLをもう一度見てみましょう。
https://example.com/?utm_source=youtube&utm_medium=qr_code&utm_campaign=promotion_video1
例えば最初のパラメータは、「utm_source=youtube」となっています。これで、「流入元のメディアはyoutubeです」という意味になります。
このパラメータ付きURLをQRコード化し、それをユーザーが読み取ってアクセスすることで、Googleアナリティクス側で「youtubeのqr_codeからのアクセスで、さらにpromotion_video1というキャンペーンからのアクセスである」と判別できるというわけです。
UTMパラメータは、上記で説明した以外にも「utm_term」「utm_content」などの細かく分ける要素もありますが、ここでは割愛します。より詳しくは、以下の記事やGoogleの公式ドキュメントも参考にされてください。
参考:カスタム URL でキャンペーン データを収集する – アナリティクスヘルプ
では、このUTMパラメータをどうやって作るのかを見ていきましょう。
UTMパラメータの作り方
UTMパラメータは、Googleが提供する「Campaign URL Builder」を使えば簡単に作成できます。
以下の画像のように、WebサイトのURLと、「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」に適切な値を入れると、UTMパラメータ付きURLが生成されます。

「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」に入れる値は任意ですが、以下に決め方のヒントを書いておきます。
utm_source
utm_sourceには流入元の媒体名を入れます。例えばYouTube動画に設置するQRコードであれば、「youtube」と入力します。
例:youtube, instagram, facebook
utm_medium
utm_mediumには、流入元媒体の種類を入力します。例えば今回はQRコードからのアクセスを計測したいので「qr_code」と入れるのもありです。他にも、「動画媒体からのアクセス」という意味で「video」としておくのも良いでしょう。
例:qr_code, video
どのように分類するかは自由ですが、他のプロモーションとの兼ね合いで決めることをおすすめします。チームで運営している場合には、よく相談してから決めるようにしましょう。
utm_campaign
utm_campaignには、キャンペーンの名前を入力します。キャンペーン名は任意の名前でかまいませんが、半角アルファベットと「_(アンダーバー)」または「-(ハイフン)」で付けることをおすすめします。
例:promotion_video1, new_product
日本語でキャンペーン名を付けてしまうと、以下の画像のように意味のわからない文字列にエンコードされ、URLが長くなってしまいます。QRコードにした際に、読み取りづらくなるため、キャンペーン名はアルファベット表記にすることをおすすめします。
どうしてもURLが長くなる場合には、短縮URLサービスを使うなどの工夫が必要です。ただし、短縮URLを使う場合、サービスによっては正確に計測できない場合やセキュリティリスクもあるため、よく検討した上で使うようにしてください。
次のセクションでは、このUTMパラメータを組み込んだQRコードをChromeブラウザを使って作成する方法を解説します。
ChromeでQRコードを作成する方法
前のセクションで作成したUTMパラメータ付きURLを元に、QRコードを作成しましょう。QRコードを作成する方法はいくつかありますが、最も手軽なのはChromeブラウザの機能を利用する方法です。
Chromeを使ったQRコード作成手順
ChromeでQRコードを作る方法はシンプルです。
ブラウザ右上のメニューから、「キャスト、保存、共有」→「QRコードを作成」と進みます。

生成されたQRコードをダウンロードします。

作成したQRコードを使う前に、実際にスマートフォンでアクセスして機能するかをチェックするようにしましょう。
これで、YouTube動画や広告に掲載するQRコードの作成が完了しました。次は、GA4を使ってQRコード経由のアクセスを確認する方法を解説します。
GA4でQRコードのアクセスを分析する方法
UTMパラメータを設定したQRコードを作成し配布したら、実際にどれだけのユーザーがQRコードを経由してサイトに訪問しているのかを確認しましょう。
UTMパラメータは、以下のようにGA4のディメンションと対応しています。
パラメータ | GA4のディメンション(セッション) | GA4のディメンション(ユーザー) |
---|---|---|
utm_source | セッションの参照元 | ユーザーの最初の参照元 |
utm_medium | セッションのメディア | ユーザーの最初のメディア |
utm_campaign | セッションのキャンペーン | ユーザーの最初のキャンペーン |
ユーザーのアクセスを訪問ごとに分析したい場合には「セッションの」という名前のディメンションを使います。「QRコードを最初の流入元としてアクセスしたユーザーが、その後どのような行動を取ったのか」という長期間でデータを分析したい場合には、「ユーザーの最初の」となっているディメンションを使います。
ディメンションとは、データの切り口(分析軸)のことをいいます。今回であれば、「どのQRコードからのアクセスか」というのが分析軸になります。詳しくは以下の記事で解説しているので参考にされてください。
ここでは、GA4の「集客レポート」と「探索」を活用し、QRコードの効果を可視化する方法を解説します。
各種レポートの基本的な使い方については、以下の記事を参考にされてください。
GA4の「集客レポート」でデータを見る
ここでは、GA4のレポート機能を使ってQRコードからのアクセスを確認する方法について解説します。最新のGoogleアナリティクス(GA4)では、記録されたデータは24時間後以降に見ることができます。
レポートメニュー内の「ライフサイクル > 集客」と進み、「ユーザー獲得」または「トラフィック獲得」を開きます。
レポートのディメンション(分析軸)を、ユーザー獲得の場合には「ユーザーの最初の参照元 / メディア」、トラフィック獲得の場合には「セッションの参照元 / メディア」に切り替えると「utm_source」と「utm_medium」が表示されます。
キャンペーンのデータを見る場合には、ディメンションの横の「+」ボタンを押して、「ユーザーの最初のキャンペーン(またはセッションのキャンペーン)」のディメンションを追加します。

GA4で流入元を見る方法については、以下の記事でも解説していますので参考にされてください。
施策のモニタリングをする場合には、メモ機能の活用が便利です。例えば、レポートのQRコードの配布を始めた日にメモを追加しておけば、その日を境にアクセス数がどう変化するのかをモニタリングできます。

メモ機能の使い方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
GA4の「探索」でデータを見る
探索機能でもQRコードからのアクセスデータを見ることができます。探索機能では、標準レポートよりも詳しい分析をすることが可能です。
GA4の「探索」でデータを見る場合には、ディメンションに「ユーザーの最初の参照元 / メディア」または「セッションの参照元 / メディア」、「ユーザーの最初のキャンペーン」または「セッションのキャンペーン」を使ってUTMパラメータを確認することができます。

YouTube動画ごとのQRコード効果を分析する
YouTube動画別で別のUTMパラメータを設定した場合、動画ごとに流入状況を比較することが可能です。例えば以下のように、動画AにはAのutm_campaign、BにはBのutm_campaignを設定します。
- utm_campaign=promotion_video1 → 動画AのQRコード
- utm_campaign=promotion_video2 → 動画BのQRコード
少し面倒ですが、上記のように設定すれば、どの動画からのアクセスが成果につながりやすいのかをGA4上で把握できます。
まとめ
本記事では、QRコード経由のアクセスをGoogleアナリティクスで計測する方法について解説しました。
これまで見えていなかったQRコードのアクセスを把握することができれば、他の施策と比べた効果を分析することができます。さらに動画やチラシごとにUTMパラメータを分けてQRコードを発行すれば、クリエイティブ別の効果も分析可能になります。
「どんな施策が売上に貢献するのか」を把握できれば、限られた販促予算を最適に振り分けることも可能です。
これを機に、GA4を活用したQRコードの計測を導入し、データに基づいたマーケティングを実践してみてください。
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