Looker Studio「関数」入門(簡単なHYPERLINK、CONCATから使ってみよう)

GA4が難しいと思っている方へ、全体像が理解できる無料eBookを作りました。

以下のページからダウンロードしてご利用ください。

※新規タブでフォームが開きます。

  • レポートのURLがクリックできたら便利なのに…
  • GA4のディメンションの表示形式を変えたい

Looker Studioでレポートを作っていると、上記のような「あとちょっと、こうだったら」が解決できず、もどかしい思いをしている方も多いのではないでしょうか。

実はLooker Studioの「関数」を使えば、こうしたお悩みを驚くほど簡単に解決できる場合があります。

関数というのは、「決まったルールに従って、入力から出力を導く仕組み」のことです。Excelにも関数がありますよね。Looker Studioの関数も考え方は全く同じです。

Looker Studio関数の使用イメージ

Looker Studioの関数は、以下の画像のように計算フィールドの中で使うことができます。

関数をLooker Studioの中で使うイメージ
ディメンションの中でCONCAT関数を使ったイメージ

とはいえ、「関数」という言葉自体にアレルギーがある人が多いことも知っています。

この記事では、GA4やSearch Consoleのデータを扱う上で特に使用頻度が高く理解しやすい2つの関数(HYPERLINK、CONCAT)と、それらを組み合わせた応用テクニックを、実際の操作画面を交えながら分かりやすく解説します。

関数という選択肢があることを知っているだけで、レポートに関する問題解決能力が格段に上がります。簡単なものからで良いので、まずは試してみましょう。

本記事の内容は動画でも解説しています。

YouTubeで見る
Looker Studioの基本操作

Looker StudioでGA4のレポートを作る全体的な流れは、以下の記事で解説しています。

読みたい場所にジャンプ

Looker Studioの「関数」とは何か

まずは、Looker Studioの関数がどんなものなのか、基本概念について理解しておきましょう。

関数は決して難しいものではなく、「特定のインプット(入力)に対して、決まったルールで処理を行い、アウトプット(結果)を返してくれる便利な自動処理ボックス」のようなものです。Excelやスプレッドシートの関数と考え方は同じになります。

関数を抽象化したイメージ1

関数を理解する一番簡単な方法は、自動販売機をイメージすることです。

  1. インプット:あなたが「お金」を入れ商品を選ぶ
  2. 処理:自動販売機が「お金を認識し、選ばれた商品を出す」
  3. アウトプット:選んだ「ジュース」が出てくる

上記のように、何かを入れると、決まった処理を経て、別のものが出てくる。これが関数の基本的な考え方です。

Looker Studioに置き換えると、「元のデータ(インプット)を、関数というルール(処理)で加工し、新しいデータ(アウトプット)として表示する」ということになります。たとえば、「リンクではないURLの文字列」をインプットすれば、「クリックできるURL」をアウトプットするといった具合です。

関数を抽象化したイメージ2

関数を使うことで、元のデータソースに手を加えることなく、レポート上だけでデータを加工したり見せ方を変えたりすることが可能になります。

Looker Studioでは、この関数を「計算フィールド」の中で、数式として記述し使います。基本的な使い方の流れも理解しておきましょう。

STEP
ディメンションを追加する

Looker Studio右側のメニューから「ディメンションを追加」をクリックします。

Looker Studioでディメンションを追加するイメージ
STEP
「計算フィールドを追加する

関数は計算フィールドの中で使うことができます。

Looker Studioで計算フィールドを追加するイメージ
STEP
関数を入力する

計算フィールドの中から関数を呼び出して使います。

Looker Studioの計算フィールドの中に関数を入力するイメージ

次のセクションから、具体的なLooker Studio関数の使い方を見ていきます。

【入門編】地味に便利な2大関数

Looker Studioにはたくさんの関数が用意されていますが、まずは特に使用頻度が高く、効果を実感しやすい2つの関数からマスターしましょう。

ここでは「HYPERLINK関数」と「CONCAT関数」について、具体的な使い方を解説します。

HYPERLINK関数:クリックできるリンクを作成する

レポートに表示されたURLを、そのままクリックできたら便利ですよね。HYPERLINK(ハイパーリンク)関数は、そんな願いを叶えてくれます。この関数は、ただの文字列であるURLに、クリック可能なリンク機能を持たせることができます。

HYPERLINK関数は、以下のような構造になっています。

HYPERLINK関数の構文のイメージ
  1. 第一引数(URL):実際にリンクさせたいURLを指定します
  2. 第二引数(表示名):レポート上に表示されるテキストを指定します

例えば、Search Consoleのデータを使ってランディングページのURLを表示している場合、そのままではクリックできません。

以下のように計算フィールドで設定するだけで、クリック一つで該当ページに飛べるようになります。

HYPERLINK関数をLooker Studioの計算フィールドで使うイメージ
HYPERLINK('Landing Page', 'Landing Page')

サイトの内容に詳しくない人に対して共有するレポートの場合、すぐにページに飛べることで利便性が上がります。

関係者の除外設定を行っておくこと

クリックできるレポートは便利ですが、こうした関係者からのアクセスはデータ分析の際のノイズになるので、別途除外設定が必須です。設定方法については以下の記事で解説しています。

CONCAT関数:文字列を連結する

文字列同士を連結するときに活躍するのがCONCAT関数です。複数のテキストやディメンションを、好きな順番で連結させることができます。

CONCAT関数は、以下のような構造になっています。

CONCAT関数の構文のイメージ

2つ以上の文字列を引数としてカンマ区切りで入れると、その文字列を連結します。

たとえば、GA4の「ランディングページ」ディメンションは、通常「/sub-directory/page.html」のようにドメイン名が省略されています。これではどのサイトのページか分かりにくいですよね。そこでCONCAT関数を使います。

計算フィールドに以下のように記述すれば、ドメイン名とページパスが連結されます。

CONCAT関数をLooker Studioの計算フィールドで使うイメージ
CONCAT("https://example.com", ランディングページ)

上記数式の出力結果として「https://example.com/sub-directory/page.html」という完全なURLを生成できます。固定の文字列は「””」(ダブルクォーテーション)で囲むのがポイントです。

【応用編】関数を組み合わせて使ってみる

Looker Studioの関数の真価は、複数の関数を入れ子(ネスト)にして組み合わせることで発揮されます。先ほど紹介したHYPERLINKとCONCATの2つの関数を組み合わせて、さらに便利なレポートを作成してみましょう。

先ほどのCONCAT関数で作成した「ドメイン名付きの完全なURL」は、まだクリックできないただの文字列です。これをHYPERLINK関数と組み合わせることで、クリック可能なリンクにすることができます。

以下がHYPERLINKとCONCATを組み合わせた数式のイメージです。

HYPERLINK関数とCONCAT関数を組み合わせるイメージ

実際の画面に入力すると以下のようになります。

HYPERLINK関数とCONCAT関数の組み合わせを計算フィールドで使うイメージ
HYPERLINK(CONCAT("ドメイン名", ランディングページ), ランディングページ)

この数式は、以下のような処理を行っています。

  1. 内側のCONCAT関数:まずCONCAT関数で「ドメイン名」と「ランディングページ」を連結し、完全なURLを生成します。
  2. 外側のHYPERLINK関数
    1. 第一引数:CONCAT関数で生成した完全なURLを、リンク先のURLとして指定します。
    2. 第二引数:レポート上の表示名は、ドメイン名なしのシンプルな「ランディングページ」のままにします。

上記のようにすれば、「レポート上の表示はスッキリしたページパスのまま、クリックすればドメイン名付きの正しいページに飛べる」という、スマートで使い勝手の良いレポートが完成します。

まとめ:関数を使いこなし、分析の効率を最大化しよう

Looker Studioのレポート作成を効率化する「関数」について、基本的な考え方から具体的な応用例まで解説しました。

関数は「入力したものに応じて出力結果を返す便利な箱」です。この原則を押さえておけば、他の関数にも応用可能です。以下のGoogle公式のLooker Studioヘルプに関数の一覧がありますので、ご自身の業務に役立つものがないか確認してみてください。

関数の書き方がいまいちわからない場合には、生成AIに質問してみるのも1つの方法です。

今、手作業でやっていて「面倒だ」と感じている。そんな時には関数で効率化できないか考えてみましょう。


本記事の内容を含む、より体系的なLooker Studioの学習に興味がある方は、以下のUdemy講座もぜひチェックしてみてください。

Looker Studioで学ぶGA4レポート制作

Googleが提供する無料BIツール「Looker Studio」を使い、GA4のレポートを作成する方法について解説します。

GA4を「ざっくりと」理解したい方へ

Googleアナリティクスを活用するための基礎知識をまとめたebookをご用意しました。どなたでも無料でダウンロードしていただけますので、以下のボタンからご利用ください。

※新しいタブでフォームが開きます。

屋嘉比 馨
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
ウェブ解析士協会所属・ウェブ解析士。
ラジオ局、広告代理店などに勤務ののち、大手SIerのWebマーケティング担当に。主にオウンドメディア、広告運用にて営業リード・採用応募獲得に貢献。
2022年に独立し、ボーダーヘイズ・ジャパンを設立。
これまで100サイト以上の改善・計測環境構築に貢献した経験をもとにUdemy講師としても活動中。受講生4,600人以上、Udemy Business認定コースも含めベストセラーコース5本を抱える。

YouTubeチャンネル

本サイトの内容を動画でも発信中です。文章で見てもいまいちよくわからないという方はこちらもご覧ください。

ブログの内容と若干異なる場合もございます。

記事へのご質問・ご指摘

コメントする

読みたい場所にジャンプ