Nano Bananaと「一緒に」図解を作る方法|「AIっぽさ」を卒業する人力ハイブリッド作成術
- 「文章は書けるけれど、図解にするとなると途端に手が止まる…」
- 「AIで作った画像は便利だけど、独特のAIっぽさが記事の信頼を下げそうで怖い」
ブログやオウンドメディア制作の現場で、こんな葛藤を抱えてはいないでしょうか。図解は読者の理解を助ける強力な武器ですが、ゼロから自作するには膨大な時間がかかり、かといってAIに丸投げすれば没個性的な仕上がりになりがちです。
Googleの「Nano Banana(Gemini 3 Pro Image)」に代表される画像生成AIは、一見するとそのまま公開できるレベルの図解も容易に作成可能になりました。しかし、それでも残る独特の質感は、AI画像を見慣れた読者から敬遠されるリスクも孕んでいます。
そこで推奨したいのが、生成AIを「完成品を出力するツール」ではなく、「下絵作り」に活用する手法です。

AIが作成した画像に含まれる余計なノイズを削ぎ落とし、記事の文脈やトンマナとも完全一致した画像を作れるので、SEOにも効果があります。
本記事では、Nano Bananaで生成した図解を下書き(プロトタイプ)とし、Canvaなどのツールで人間が仕上げる「ハイブリッド型」の制作フローを解説します。
- Nano Banana(Gemini)を図解の「下書き」として活用するメリット
- 情報の構造に合わせた図解プロンプト
- AI生成画像をCanvaで清書し、独自のコンテンツに仕上げる手順
- AI画像をそのまま使用する際のリスクと、自作・編集によるSEOへの効果
この記事の著者

Kaoru Yakabi
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
/ ウェブ解析士 / Udemy講師
上場企業のインハウスマーケターとして営業リード・採用獲得のWeb戦略に従事したのち独立。「Webマーケティングの民主化」をミッションに、中小企業への計測環境構築やAI活用支援を行う。Udemyでは受講生7,000名超・ベストセラーコース多数。
Nano Bananaと一緒に図解を作る手順
では、実際にAIと協力して図解を作り上げる具体的なステップを解説していきましょう。
Nano Bananaで図解を作る
高品質な図解が作れるNano Banana Proを使うには、Geminiを「思考モード」に切り替え、ツールメニューから「画像を作成」をクリックします。

Nano Banana Proを有効化したら、以下のプロンプトと図解したい内容を入力します。
# 指示: 最適な図解の選定と生成
提供された情報を分析し、読者の理解を最大化する「図解」を生成してください。
生成にあたっては、以下の[1. 選定ロジック]で型を決定し、[2. デザインガイドライン]を厳守してください。
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## 1. 選定ロジック(情報の性質に合わせた6つの型)
情報の構造を分析し、以下の「6つの基本の型」から最も適したものを1つ選択して描画してください。
1. **対比**: 2つの要素の比較。ポジティブ/重要な要素は「右側」に配置。
2. **割合**: 全体の内訳(円グラフ)や、時系列の変化(積み上げ棒グラフ)。
3. **手順・流れ**: ステップ(フロー図)や、時間経過に伴う推移(折れ線グラフ)。
4. **階層構造**: 親子関係(ツリー)、包含関係(入れ子)、優先順位(ピラミッド)、減少プロセス(ファネル)。
5. **ポジショニング**: 2軸での位置づけ。未来の戦略は「マトリックス」、過去の分析は「散布図」。
6. **グループ関係**: 共通点や重なり、相関関係(ベン図)。
## 2. デザインガイドライン(視覚的制約)
統一感と認識のしやすさを維持するため、以下のルールを徹底してください。
### A. 描画スタイル
- **人物の表現**: 複雑な造形は避け、シンプルな「棒人間」で表現すること。
- **文字の表現**: 可読性の高い「シンプルなゴシック体」を使用すること。
- **著作権の遵守**: 実在するロゴ、特定のキャラクター、商標登録された意匠は一切含めないこと。
### B. 配色ルール
色は情報の意味を補完するために使い分け、過剰な装飾は避けてください。
- **背景**: 白(無地)。
- **棒人間**: モノクロ(黒〜グレー)。
- **ポジティブ・中立要素**: 「青系」を使用(重要な進捗、メリット、目標など)。
- **ネガティブ要素**: 「赤系」を使用(課題、リスク、ボトルネック、NG例など)。
- ※注:画像内に「ネガティブ」「ポジティブ」といったラベル文字そのものは記載せず、色のみで表現すること。
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## 実行プロセス
1. 入力されたテキストから「情報の中心的な構造(比較なのか、流れなのか等)」を特定する。
2. 上記1に基づき、最適な「型」を選択する。
3. ガイドラインに従い、余計な装飾を削ぎ落としたミニマルな図解を出力する。
## 図解化するテキスト
"""
(ここに図解したいテキストを入力する)
例:
# Google検索に表示される仕組み
検索結果に表示されるまでには、以下の3つのステップが必要です。
1. 巡回(クローラーがサイトを見つける)
まず、Googleのロボット(クローラー)が、あなたのサイトにやってきて記事を発見し持ち帰ります。
公開直後は、まだクローラーがサイトに訪れていない状態です。
2. インデックス(データベースに登録される)
持ち帰った記事の内容を分析し、Googleのデータベース(インデックス)に登録します。「このサイトは〇〇について書かれている」と分類され、初めて検索可能な状態になります。
これが「インデックス登録」です。Googleのデータベースに登録されなければ、どんなに良い記事でも検索結果には絶対に出ません。
3. ランキング(検索結果に表示される)
ユーザーが何かを検索したとき、Googleはインデックスの中から、最も役に立ちそうなサイトを選んで順番に並べます。
ここで初めて、あなたの記事がユーザーの目に触れます。
"""数秒から数十秒で、以下のような図解が生成されます。

Canvaで図解を清書する
Nano Bananaが設計図を出してくれたら、次は人間の出番です。CanvaやAdobe Expressなどの画像作成ツールを開き、AIのアイデアを「清書」していきます。

手順は以下の通りです。
Canvaの画面左上「新規」ボタンを押します。

作りたい画像サイズを選択します。「プレゼンテーション」を選ぶと1920x1080pxのキャンバスを手っ取り早く作れます。

画面左側の「素材」メニューから「図形」を選択します。

Canvaには長方形や楕円形など基本的な図形がそろっています。今回は、以下のように長方形を入力しました。

図形を選択した状態で形を変えたり、上部メニューから塗りや線の色などを調整します。

Canvaにはアイコンやイラストを外部から取り込んで使うことも可能です。ドラッグ&ドロップで配置します。

今回はPicto Museumさんからアイコン素材をお借りしました。画像の利用方法については、各素材サイトの規約をご覧ください。
Canvaの画面左側の「テキスト」メニューを選択し、「テキストボックスを追加」ボタンをクリックします。
追加されたテキストボックスに、任意の文字を入力します。

図形や画像、テキストの配置を整えて仕上げます。

作成した画像は、Canvaの画面右上「共有」ボタンから「ダウンロード」を選択することで保存できます。

今回作成した画像のように色数が少ない場合には「PNG形式」を選択してダウンロードします。

以上が、AI生成画像を元にした図解の作成方法です。一見遠回りに見えるかもしれませんが、ゼロから「どう配置しよう」と悩む時間がなくなるため、トータルの制作時間は大幅に短縮されます。
AI生成画像を人力で清書するメリット
「Nano Bananaでクオリティの高い図解が作れるのに、なぜわざわざ手間をかけて清書するのか」という疑問もあるでしょう。人力による最終仕上げには、検索エンジンに評価される「独自性」の確保という戦略的な狙いがあります。
AIが生成する画像は学習データに依存するため、どうしても似通った構図や質感になりがちですが、人間が手作業で描き直すことでGoogleが重視する「世界に一つだけのオリジナル画像」へと昇華され、サイト独自の有益な資産として高く評価されるようになります。
人間の手を介することで、AI特有の論理の飛躍やノイズを削ぎ落とせる点や、サイトのトンマナに合わせられることもメリットです。必要のない情報や違和感をなくすことで、「読者に余計な時間を使わせない」ということ。以下のGoogleの理念とも重なります。
Google は、ユーザーの貴重な時間を無駄にしないよう、必要とする情報をウェブ検索で瞬時に提供したいと考えています。
Google が掲げる 10 の事実
長い目で見ると、完全オリジナルの画像の方がSEOにも効果があるはずです。
Nano Bananaで生成した画像は、規約上は「商用利用が可能」とされています。
しかし、AIが生成した画像を企業が実務で活用する際には、著作権や商標権、意匠権といった法的リスクもあります。意図せず既存のキャラクターやロゴに似た画像が出力されてしまう可能性があるからです。
こうした法的・倫理的なトラブルを未然に防ぐための安全な運用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
こうしたリスクを鑑みて、「そのまま使うのか」「編集して使うのか」を判断することをおすすめします。
まとめ
図解制作における生成AIの真価は、完成品を丸投げすることではなく、人間の意図を形にするための「高度な下書き」を瞬時に出力させることにあります。
Nano Bananaに情報の構造化や構成案を任せ、最後に人間がデザインを清書する。この「人間→AI→人間」というフローを組むことで、AI特有の違和感を排除しながら、制作スピードを劇的に向上させることが可能になります。
効率化を追求しながらも、読者に届ける「思考の痕跡」は自分自身の力で残す。このバランス感覚こそが、これからのAI共生時代におけるコンテンツ制作のスタンダードとなるのではないでしょうか。
まずは記事内で紹介したプロンプトをGeminiに入力し、図解の下書きを作ることから始めてみてください。
下書きをAIに作成してもらう場合にも、「どんな場面でどのような図解が効果的か」という基本を押さえておくことも重要です。以下の記事で、ゼロから自分の手で図解を作る方法についても解説しています。こちらも合わせてお役立てください。



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