中小企業にWordPressのオリジナルテーマは不要|カッコよさではなく「実用性」を追求しよう

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  • 「オリジナルテーマで作った、かっこいいWebサイト。これで問い合わせが殺到するに違いない」
  • 「Webサイトは会社の顔だから、フルオーダーのWordPressテーマで作りたい」

中小企業の経営者やWeb担当者であれば、誰もが一度はそんな期待を抱くのではないでしょうか。

しかし、現実はどうでしょう。時間とコストをかけて納品されたサイトは、たしかに見た目は良いかもしれません。ですが、数ヶ月経っても肝心な「ビジネスの成果」に結びつかず、その費用対効果に首をかしげる。世の中には、そんなWebサイトが溢れていないでしょうか。

Webサイト制作において、「オリジナルのWordPressテーマ=常識」という風潮が、中小企業の選択肢を狭めてしまっているように私は感じます。多額の費用と長い制作期間を費やし、結果として得られるものが「自己満足のデザイン」だけであれば本末転倒です。

結論、中小企業のコーポレートサイトに、高額なWordPressのオリジナルテーマは不要です。

Webサイトの真の目的は、あなたのビジネスを支え、成果を上げること。その視点に立てば、市販の既存テーマをベースにカスタマイズし、実用性と将来的な柔軟性を追求する方が、圧倒的に賢明な選択となります。私のサイト(当サイト)も市販のWordPressテーマ「SWELL」を使用していますが、全く不自由していないばかりか、大抵のことはできてしまう拡張性の高さには満足しかありません。

この記事では、私が過去の経験から行き着いた、「かっこよさ」よりも「成果」を重視するWebサイト運用の考え方と、そのための具体的な選択肢についてお伝えしていきます。

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なぜ中小企業にオリジナルテーマは不要なのか

Webサイト制作を考えるとき、「カッコよさ」や「独自のデザイン」を追求したくなる気持ちはよく分かります。Webサイトは会社の顔であり、名刺代わりになるものだからです。ですが、そのデザインやオリジナリティの追求が、時にビジネスの本質を見失わせる落とし穴になります。

Webサイトの真の目的は「ビジネスの成果」であり、「自己表現」ではない

ここが最も重要な視点です。Webサイトは、芸術作品でもなければデザイナーの自己表現の場でもなく、24時間365日働く営業ツールです。

中小企業にとって、Webサイトに求められるのは、シンプルに「問い合わせ」「資料請求」「注文」といった具体的な成果に結びつく実用性です。お客さんが求めているのは「カッコいいWebサイト」ではなく、「私の問題を解決してくれる情報」や「信頼できる会社の情報」なのです。「Webサイトがカッコ悪いです」とクレームをもらったことはないですよね?

ゼロからオリジナルテーマを作ることは、コストと工数、そして将来的なリスクを増大させます。このリスクを負ってまで、「自己満足のデザイン」を追求する合理的な理由はありません。

大規模サイトと中小企業サイトの要件の違い

一般的に「オリジナルのテーマを作るのが常識」と見られがちな風潮がありますが、それは主に大規模なECサイトや、非常に特殊な会員機能、複雑な予約システムなどが必要な場合に限られます。

既存テーマは、SEO対策、ブログ機能、レスポンシブデザインといった基本的な骨格がすでに最適化されています。この「洗練された土台」を活かす方が、ゼロからすべてを組み上げていくよりも、はるかに効率的で安全です。

中小企業が目指すべきは、「ハイスペックなF1カー」ではなく、「燃費が良く、故障が少なく、目的地まで確実に運んでくれる、実用性の高い乗用車」としてのWebサイトなのです。

既存テーマを使う4つのメリット

Webサイトを「事業の資産」として長期的に育てていく上で、既存テーマを使用する持つメリットは、オリジナルテーマ制作のメリットを上回ることも多いです。これは単なる「手抜き」ではなく、「合理性の追求」の結果です。

ここでは既存テーマを使う3つのメリットについて解説します。

メリット①SEOとセキュリティを担保する開発元の継続的なアップデート

既存のWordPressテーマを使うメリットの1つめは、開発元による継続的なアップデートがあるという点です。

自作のオリジナルテーマの場合には、開発会社との契約終了後の「負債化」リスクがあります。実際に私の支援先でも、制作会社に作ってもらったオリジナルテーマが最新のPHP(WordPressを構成するプログラム言語)に対応しておらず、サーバのバージョンアップができないというケースがありました。

PHPの更新ができない場合、大きなセキュリティリスクとなります。また、無理にバージョンアップすれば、サイトが表示されないといった致命的なエラーにもつながります。

Web技術は日々進化しています。オリジナルテーマを使っている場合には、バージョンアップがあるたびに、セキュリティパッチの適用やSEO最適化のための構造化データの見直しを、すべて自社(または依頼先の制作会社)が行う必要があります。

一方、私が使っているSWELLのような人気テーマは、開発元が継続的にアップデートを行っているので安心です。

  • SEO最適化(高速化、構造化マークアップなど)
  • セキュリティ脆弱性の修正

これらを専門家が担ってくれるため、ユーザーは安心してコンテンツ制作に集中できるのです。特に中小企業のように専任のエンジニアがいない環境では、この「自動的な安全性の確保」は計り知れないメリットとなります。

メリット②費用と制作期間の大幅な削減

既存のテーマを使う場合、制作費用と完成までの期間を大幅に節約することが可能です。

オリジナルテーマは、デザインの打ち合わせからゼロベースでのコーディング、デバッグまで、膨大な工数を必要とします。結果的に、高額な制作料金と数ヶ月に及ぶ制作期間を要します。

既存テーマのカスタマイズであれば、デザインの骨格や基本的な機能が揃っているため、設計・開発のフェーズを短縮でき、Webサイトの公開までの期間を大幅に短縮できます。

公開を急ぎたい、もしくは費用を抑えたい中小企業にとって、これは事業の機動性を高める上で非常に大きなアドバンテージになるのです。

メリット③高性能なブログ投稿機能

既存の有料テーマの場合、高性能なブログ投稿機能が備わっている点もメリットになります。特にオウンドメディア運営など、サイトの更新頻度が高くなることが想定される場合には、ブログ投稿機能の性能の高さは大きなアドバンテージです。

例えば私が使っているWordPressテーマの場合、以下のように「ステップ」や「キャプションボックス」「FAQ」などの装飾系のブロックが豊富に揃っています。

装飾パーツが豊富なSWELLの投稿画面
有料テーマ「SWELL」のブログ投稿画面

ブログ記事のような読み物系のページの場合には、「読みやすさ」がユーザーの滞在時間にも影響するため、装飾機能の豊富さはページの強さに直結します。

Webでの集客を見据えた実用的なサイトが欲しい場合は、間違いなく既存テーマを使う方が合理的です。

メリット④ユーザビリティとカスタマイズ性のバランスが良い

「既存テーマだと、他のサイトと同じデザインになるのでは?」という不安もあるでしょう。

実は、市販のWordPressテーマでも、CSSやカスタマイザーなどで調整することで、見た目の差別化は十分に可能です。WordPressには「子テーマ」という仕組みがあり、元のテーマファイルを壊すことなく、PHPファイルまで含めた構造的な変更も安全に行えます。

既存テーマでも柔軟なカスタマイズが可能
当サイトのカスタマイズ例

また、あえて「一般的なレイアウトやデザイン」を選ぶことは、ユーザビリティ(使いやすさ)の面で大きなメリットになります。

ユーザーはWebサイトを訪れた際、無意識のうちに「この辺に会社の情報があるはず」「ブログ記事はこう並んでいるはず」という予測をします。一般的なレイアウトは、ユーザーを迷わせないため、結果的にサイトの滞在時間や回遊率を高め、間接的にSEOにも良い影響を与える場合が多いのです。

StudioやWixじゃダメなの?に対する回答

WordPressでサイトを作る時に出てくる選択肢として、StudioやWixなどのノーコードツールが出てくるのではないでしょうか。

StudioもWixも、技術的な話をすればWordPressと大差ありません。StudioやWix等は以前は「SEOに弱い」とされていましたが、それも近年のアップデートで解消されつつあります。

ですが、これらのノーコードツールを使うのも、私個人としてはおすすめできません。プラットフォーム依存のリスクがあるからです。

この「プラットフォーム依存」こそが、制作コストやデザインの優劣よりも、長期的に見て事業の成長を阻害しかねない最も重いリスクです。

SaaS型ノーコードの根源的な課題

サイトのデータ構造やCMS機能は、プラットフォームのシステム内部に閉じ込められています。記事のテキストデータ、サイトを構成する構造を、他社サービスで利用可能な形で完全エクスポートすることは極めて困難です。

ロックインと拡張性の喪失

将来的に機能追加や大規模リニューアルが必要になった際、プラットフォームの提供機能に限界を感じたとしても、データの移行が困難なために、そのサービスに縛られ続ける(ロックインされる)リスクがあります。

Webサイトを「長期的な資産」として運用する中小企業にとって、データに対する完全な所有権と、将来的な機能拡張に対応できる無限の拡張性は不可欠な要素です。この点において、データがサーバーにあり完全に所有できるWordPress(既存テーマのカスタマイズを含む)を選ぶことが、最も賢明な選択となります。

こうしたリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

実用性を極めるWordPressテーマ「SWELL」

WordPressのオリジナルテーマはダメ、ノーコードツールもダメ。では、どうすればいいのか?

私の答えは、市販のWordPressテーマを使うということです。さらに、そうした既成テーマの中でも、実用性、拡張性、そして安全性という三つの観点で、「SWELL(スウェル)」が最適だと考えています。

「SWELL」というのは、株式会社LOOSが提供するWordPressの人気テーマです。ブログ用というイメージが強いかもしれませんが、カスタマイズ性が高いためコーポレートサイトも問題なく制作できます。

以下は私が所属しているウェブ解析士協会のWebサイトですが、カスタマイズ次第でこのようなサイトを作れるということです。

ウェブ解析士協会のWebサイトもSWELLで制作されている
「SWELL」で作られたサイトの例

SWELLを選ぶ最大の利点は、多機能性により、外部プラグインの導入を最小限に抑えられる点にあります。

WordPressのプラグインは非常に便利ですが、導入しすぎることで以下のリスクが生じます。

  • ウェブサイトの読み込みが遅くなる:動作速度はSEOに直結します。
  • テーマや他のプラグインとの不具合:サイト全体が予期せぬエラーで動作しなくなるリスクがあります。
  • セキュリティ脆弱性:アップデートが止まったプラグインは、不正アクセスの入口になりかねません。

SWELLは、デザインに関する多くの機能や、ブログ運営に必要な機能(例えば、ボックス装飾、アコーディオン、カスタムブロックなど)をテーマ自体に内蔵しています。その結果、多くのサイトがデザインのために使用する「Elementor(エレメンター)」等のページビルダー系プラグインが不要で、サイトの速度低下や不具合のリスクを最小限に抑えることができるのです。

SWELLでコーポレートサイトを作る方法

SWELLでコーポレートサイトを制作する方法については、私のUdemyコースでも詳しく解説しています。以下のページからご覧ください。

SWELLで「計測しやすいWebサイト」を作る

有料WordPressテーマ「SWELL」を使い、GA4で計測しやすいWebサイトを作る方法についてハンズオンで解説します。

SWELLを購入し上記コースで学んで自作すれば、制作会社に依頼するよりも遥かにコストダウンしてサイトを作れます。デザインをこだわりたい箇所だけ、ピンポイントで制作会社に依頼しても良いでしょう。

WordPressでのWebサイト制作に関するよくある質問(FAQ)

弊社自体、SWELLでのWordPress制作を仕事として請け負うことがありますが、その際に特にお問い合わせいただくことが多い疑問をまとめました。制作コストや運用リスクを抑え、成果を出すための参考にしてください。

オリジナルテーマで作らないと、競合他社とデザインが被って安っぽく見えませんか?

いいえ、既存テーマでも十分な差別化が可能です。

現代の有料WordPressテーマ(SWELLなど)はカスタマイズ性が非常に高く、カラー設定、フォント選択、レイアウトの組み換えだけで独自のブランドイメージを表現できます。

そもそも、ユーザーが求めているのは「奇抜なデザイン」ではなく「情報の探しやすさ」です。標準的なレイアウトはユーザーが迷わず操作できるというメリットがあり、むしろ成約率(コンバージョン率)を高めることにつながります。

既存テーマを使うとSEOで不利になることはありませんか?

むしろオリジナルテーマよりもSEOに強い場合が多いです。

SWELLのような人気テーマは、専門のエンジニアが常に最新のSEOトレンド(高速化、構造化データの最適化など)に合わせてアップデートを繰り返しています。

一方でオリジナルテーマの場合、一度作るとその時点の技術で固定され、最新のSEO基準に対応するにはその都度追加費用を払って改修しなければなりません。

常に最新の内部SEO対策が施された土台を使える点は、既存テーマの大きな強みです。

制作会社に「将来的な拡張性を考えるとオリジナルテーマが良い」と言われたのですが……。

中小企業の一般的なサイト規模であれば、既存テーマの拡張性で十分すぎるほど対応できます。

「オリジナル=自由度が高い」というイメージがありますが、実際は制作した会社独自のコードで書かれているため、他社への乗り換えや修正が困難になる「ベンダーロックイン」のリスクがあります。

WordPress標準の「子テーマ」機能を使えば、既存テーマの安全性を保ったまま独自の機能追加も可能です。将来的なメンテナンス性まで考えれば、情報の透明性が高い市販テーマの方が「真の拡張性」があると言えます。

無料テーマではなく「SWELL」などの有料テーマを推奨するのはなぜですか?

ビジネスに必要な機能が最初から揃っており、トータルコストを抑えられるからです。

無料テーマでもサイトは作れますが、装飾機能やSEO設定を補うために多くの「プラグイン」を追加する必要があります。プラグインが増えすぎると、サイトの動作が重くなったり、不具合の原因になったりします。

SWELLのような高機能テーマは、必要な機能がテーマ内に最適化されて組み込まれているため、安全かつ高速な運用が可能になり、結果として制作・管理の工数を大幅に削減できます。

まとめ: Webサイトを「ビジネスの資産」に育てるための選択

私がお伝えしたかったのは、Webサイト制作における「目的」の重要性です。

中小企業がWebサイトに投じるコストと時間は、あくまで「ビジネスの成果」を最大化するための投資であるべきです。「カッコよさ」や「フルオーダーメイド」という言葉の誘惑に負け、高額で融通の利かないオリジナルテーマに縛られてしまうのは、合理的とは言えません。

Webサイトを真のビジネス資産として長期的に運用していくためには、「実利性の追求」と「将来的な拡張性」の2点が不可欠です。

「オリジナルテーマでなければ、競合に勝てない」という不安は、多くの場合、誤解です。成果を出しているWebサイトの多くは、見た目の派手さよりも、ユーザーへの分かりやすさ、情報の網羅性、そして継続的な改善に力を注いでいます。

当サイトもSWELLをベースにした「ごく普通のWebサイト」ですが、主要なキーワードで上位を取り、月間20〜40件程度のリード(見込み顧客)を獲得できています。当サイトの成長の軌跡は、以下の記事をご覧ください。

ぜひ、「自己満足のデザイン」を捨て、「実用性」と「将来性」を追求するための賢い選択(既存の優良WordPressテーマの活用)から、あなたのWebサイト運用を始めてみてください。

それが、 Webサイトを真のビジネス資産に育てるための最も確実な一歩となるはずです。

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屋嘉比 馨
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
ウェブ解析士協会所属・ウェブ解析士。
ラジオ局、広告代理店などに勤務ののち、大手SIerのWebマーケティング担当に。主にオウンドメディア、広告運用にて営業リード・採用応募獲得に貢献。
2022年に独立し、ボーダーヘイズ・ジャパンを設立。
これまで100サイト以上の改善・計測環境構築に貢献した経験をもとにUdemy講師としても活動中。受講生4,600人以上、Udemy Business認定コースも含めベストセラーコース5本を抱える。

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