記事を公開して満足していませんか?SEOにも差がつく初動と定期メンテ
記事の「公開ボタン」を押した瞬間、肩の荷が下りたような達成感に包まれる。その気持ち、よく分かります。数千文字の記事を構成し、執筆し、推敲するのは、本当に骨の折れる作業ですよね。
ただ残念ながら、記事の公開は「ゴール」ではありません。Webマーケティングのフローの中で、それはまだスタートラインに立ったに過ぎません。
公開直後の記事は、言ってみれば「無人島」にチラシを撒いたようなものです。Googleにも認識されず、誰の目にも留まってはいません。
あなたが数時間、または数日かけて生み出した渾身の記事を、誰にも読まれないまま「デジタル空間のゴミ」にしてしまうのか、それとも長期的にアクセスを生み続ける「資産」に変えるのか。
その運命を分けるのは、記事のクオリティだけでなく、公開直後の「初動」と、その後の「育て方」にかかっています。
この記事では、私自身がオウンドメディア運用の中で必ず行っている「ルーティン」を解説します。
1つ1つのフローはとてもシンプルです。しかし、これをやるかやらないかで、記事の寿命と成果は劇的に変わります。あなたの努力を無駄にしないために、チェックリスト的に活用してみてください。
記事公開直後にやること
ここでは、記事公開直後にやるべきことを解説します。どれも数分程度で済む作業ですが、やるかどうかで記事の初速がまったく違ってきます。
モバイル端末での表示確認
モバイル端末での見え方については、必ず確認しておきましょう。
PCの画面では完璧に見えても、スマートフォンで見ると「改行位置がおかしくて読みにくい」「表が画面からはみ出している」「画像が大きすぎてスクロールが大変」といった問題が結構あります。
現在、Googleは「モバイル版のページ」を基準に検索順位を決定しています(モバイルファーストインデックス)。つまり、スマホでの表示崩れは、SEO評価に直結する致命的なミスとなりえます。
公開ボタンを押したら、すぐに自分のスマートフォンで記事を開き、読者目線で違和感がないかスクロールして確認しましょう。
ブラウザのデベロッパーツールを活用することで、以下のようにPC上でも簡易的にスマートフォンでの表示を確認できます。

リンクとCTAの動作テスト
記事の中に設置した「商品リンク」や「お問い合わせボタン」、内部リンクなどが正しく動作しているか、必ず自分でクリックして確かめおきましょう。
- リンク切れになっていないか
- 意図したページに正しく飛ぶか
- 広告リンクが機能しているか
「せっかく読んでもらえたのに、申し込みボタンが動かなかった」というのは、Web運営において最も痛いミスの一つです。SEO的にも望ましくありません。
機会損失を防ぐため、指差し確認のつもりで行いましょう。
Search Consoleでインデックス登録を依頼する
記事の内容に問題がないか確認できたら、Google Search Consoleでインデックス登録を依頼します。
インデックス登録の依頼は、Googleに「記事を公開しました」と知らせるための作業です。Search Consoleを使って、インデックス登録をリクエストすることで、クローラーがより早くページを巡回してくれる可能性が高まります。
以下の手順で行いましょう。
Search Console上部の入力欄に、インデックス登録したいURLを入力しEnterキーを押す。

現在のインデックス状況が表示されたら、「インデックス登録をリクエスト」のリンクをクリックする。

ページの状況を確認し、以下のように表示されたらリクエスト完了です。

特に、公開して間もないサイトや、ドメイン評価の低いサイトでは、Googleが自動的にページを見つけてくれるまでに時間がかかります。Search Consoleでのインデックス申請は、その待ち時間を短縮し、検索結果に早く載るための重要なアクションです。
ただし、「インデックス登録をリクエストした=即掲載される」わけではありません。リクエスト後、数日〜1週間ほど経ってから再度URL検査し、以下のように表示されればインデックス登録済みです。

「記事を公開したのに、Google検索に出てこないんです…」 という相談をいただく機会も多いです。
この現象に対処するために、Google検索がどのような流れであなたの記事を検索結果に表示しているかを知っておく必要があります。

Google検索を図書館として考えてみるとわかりやすいと思います。
あなたのブログ記事は、この巨大な図書館に納品されたばかりの「新刊本」だとしましょう。ただ本を棚に置いただけでは、司書(Google)も来館者(検索ユーザー)も、その本の存在に気づいてくれません。
検索結果に表示されるまでには、以下の3つのステップが必要です。
まず、Googleのロボット(クローラー)という「本の収集係」が、あなたのサイトにやってきます。そして、「お、新しい記事(本)があるな」と発見し、持ち帰ります。
持ち帰った記事の内容を分析し、Googleという図書館の「蔵書検索データベース(インデックス)」に登録します。「この本は〇〇について書かれた本だ」と分類され、初めて検索可能な状態になります。
ユーザーが何かを検索したとき、Googleは蔵書データの中から、最も役に立ちそうな本を選んで順番に並べます。
通常、収集係(クローラー)は自動で回ってきますが、いつ来るかはわかりません。明日かもしれないし、1ヶ月後かもしれないのです。
Search Consoleでの「インデックス登録リクエスト」は、「ここに新刊があります!すぐに取りに来てください!」と、収集係を電話で呼び出すような作業です。
ただ待っているだけよりも、自分から呼び出したほうが、圧倒的に早く図書館のリスト(検索結果)に載せることができます。だからこそ、記事公開後の必須作業なのです。
過去の記事から内部リンクを貼る
すでに公開済みの記事から新しい記事に対して内部リンクを貼ることも重要です。主に以下の効果が期待できます。
- ユーザーが関連記事へスムーズに移動できるようになり、滞在時間や回遊率が高まる
- クローラーがリンクをたどって新しい記事を見つけやすくなる
- PageRankアルゴリズムによりSEO評価を引き継げる可能性がある
Googleがページを評価する指標の一つで、いわばページが持つ「信頼のパワー」のことです。 長く公開されていてアクセスの多い過去記事は、すでにこの「パワー」を貯めています。そこからリンクを貼ることは、貯まったパワーの一部を新しい記事に分け与えることになります。
この仕組みがあることで、生まれたばかりの記事でも「重要なページから紹介されているから、きっと価値があるはずだ」とGoogleに評価されやすくなるのです。
PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します
Google が掲げる 10 の事実
ただし、関係のない記事から無理やりリンクを貼ると、かえってユーザー体験が損なわれます。場合によってはSEO的にマイナス評価を蓄積する要因になるかもしれません。無闇にリンクさせるのではなく、文脈的につながりのあるページを選び、自然な形で導線を組みましょう。
記事単体ではなく「サイト全体でユーザーの課題を解決する」という意識で、記事を孤立させないように意識することが重要です。
SNSやメルマガで告知する
記事を更新したら、SNSのフォロワーやメルマガユーザー向けに告知してみましょう。
直接的なアクセスを増やせるだけでなく、間接的なSEO効果も期待できます。GoogleはChromeブラウザの行動データやクリックの長さをランキング判断の一要素としている可能性があります。リーク情報で明らかになった「Navboost(ナブブースト)」と呼ばれるアルゴリズムの一部によるものです。
多くの人が「記事を開き、しっかり読んで、他のページにも回遊した」という行動シグナルが蓄積することで、検索順位の底上げにもつながる可能性が高まります。
実際、しばらく鳴かず飛ばずだった記事が、他のサイトで紹介され流入が増えた途端に順位が上がったという経験が私にもあります。
SNSやメルマガで繋がりのある人は、特にあなたの記事を熱心に読んでくれる可能性がありますので、より効果が見込めるでしょう。
定期的にやること
ここからは、記事公開後に定期的に行う「メンテナンス」について解説します。
本当に差がつくのは、公開後の運用フェーズです。情報はすぐに古くなり、検索ニーズも移り変わっていきます。記事やサイトを「育てていく」という感覚で定期的な見直しと改善を行うことで、コンテンツの鮮度と信頼性が保たれ、検索評価も高まりやすくなります。
目安としては「月に1回」「四半期ごと」など、無理のない頻度でスケジュールを決めて、以下の施策を実践してみてください。
記事のリライトで鮮度と品質を保つ
Googleはコンテンツの「新しさ」を見ています。URLやHTML構造、本文中の日付や文脈から推定される情報や、記事の執筆日などをもとに鮮度を評価しているのです。
- 情報が古くなっていないか?
- 検索ニーズに沿った内容になっているか?
- 表現が分かりやすく、読者の理解を助けているか?
これらを見直し、必要に応じて文章の更新や画像の追加を行いましょう。特に図解やインフォグラフィックのような、本文の理解を助ける画像を入れるのが効果的です。
「記事公開直後にやること」で紹介した過去の記事から内部リンクを貼るタイミングで、コンテンツ内容に見直しをかけるのもありです。
「どのようにリライトすればいいのかわからない」という場合には、ChatGPTやGeminiに質問するのも有効です。私の場合は、Googleの検索評価ガイドラインを読み込ませたGPTs(カスタムチャットボット)を作り、リライトの際に記事を読み込ませてアドバイスをもらっています。
GPTs(またはGem)の作り方については、以下の記事で解説しています。
YouTubeなどへの横展開でチャネルと信頼性を強化する
コンテンツを記事としてだけ使うのではなく、YouTubeやSNSなど他の形式に変換して配信することで、効果を何倍にも上げることが可能です。
中でも動画媒体はおすすめです。同じ情報でも、動画で届けることで、テキストを読まないような層にもリーチできるからです。著者本人が出演する形式は、SEO上の信頼性指標であるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を強化するうえでも非常に有効です。
検索エンジンは、著者情報や出演実績などを「実在するエンティティ」として評価しています。「この人は本当に存在するのか?その分野の専門家なのか?」という疑問に、動画出演が一つの証拠となるわけです。
私の場合には、YouTubeの他にUdemyでも動画を配信しています。
アクセス解析と検索順位のモニタリング
Googleアナリティクス(GA4)やSearch Consoleを使い、数値をモニタリングすることも忘れてはいけません。単に「アクセス数が上がった、下がった」と一喜一憂するのではなく、成果につながるポイントを押さえておきましょう。
- Search Console
-
- 狙ったキーワードで表示されているか
- クリック率(CTR)は改善できるか
- ペナルティを受けていないか
- Googleアナリティクス
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- アクセスは順調に増えているか
- 成果につながる重要なイベントは発生しているか
- ユーザー行動が悪化しているポイントはないか
データを見ることが目的化してしまわないよう注意も必要です。どれだけデータを見ても、コンテンツを出さないままでは成果につながりません。「次へのアクションにつながるか?」という意識を持ってデータを見るようにしましょう。
Looker Studioを使い、以下のようにダッシュボードを作っておくと関係各所にも共有できて便利です。

ダッシュボードの作り方については、以下の記事をご覧ください。
まとめ:「書き終わった後」にこそ愛を注ぐ
ここまで、記事公開直後の初動と、定期的なメンテナンスについて解説してきました。
繰り返しになりますが、Webサイト運営において、「書きっぱなし」は禁物です。
どんなに素晴らしい内容でも、メンテナンスされない情報は徐々に鮮度を失い、Googleからの評価も、読者からの信頼も下がっていきます。逆に言えば、今回紹介した施策を地道に行うことで、過去の記事が集客し続ける強力な「資産」へと育っていくのです。
「記事を公開したけど、反応がない…」と嘆く前に、まずは手元の記事に対して、やるべき世話をすべて行えているか確認してみてください。
記事を書く労力に比べれば、これらの作業にかかる時間はわずかなものです。そのわずかな手間を惜しまず、あなたのコンテンツに命を吹き込んでいきましょう。
こうした地道な施策を重ねた結果、当サイトは60記事余りで1万ページビューを超えることができました。その経緯については、以下の記事で紹介しています。



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