サイトM&AはWebマーケターにとって最高の自己投資である|130万円投じた購入実績から語る

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Webマーケティングのスキルを磨く最短ルートは、実際にサイトを運用し仮説検証を繰り返すことです。Webマーケティング支援を生業とする方の中にも、ご自身でブログを書いている方も多いことでしょう。

しかし多くの人が、「改善点を見つける」というスタートラインに立つ前に挫折してしまうのではないでしょうか。

サイトを立ち上げて記事を書き、ドメインを育てるといった、アクセスが集まり始めるまでのゼロイチのフェーズは、マーケティングというよりは「修行」ともいえる大変な作業です。これはこれで大切なプロセスではありますが、半年から1年かけてようやく月間数千PV、というスピード感では、試したい施策も満足にテストできません。

もし、あなたが「施策を打ち、データを分析し、数字を伸ばす」というWebマーケティング本来の仕事で実績を作りたいのであれば、ゼロからサイトを育てるよりも、すでに出来上がっているサイトを買ってしまった方が早いかもしれません。「サイトM&A」を活用して、既に土台があるサイトを「実験用」として手に入れるということです。

サイトM&Aとは?

サイトM&A(サイト・エムアンドエー)とは、既存のWebサイトやブログを一つの「資産・事業」として売買することを指します。企業間の合併・買収と同様に、サイトのドメインや記事コンテンツをまるごと譲り受けることが可能です。

サイトM&Aのプラットフォームとして最も有名なのは「ラッコM&A」でしょう。私が本記事で紹介する事例も、すべて同サイトで購入したものです。

サイトM&Aというと、広告収益目的で行う人がほとんどですが、私の場合には「最短でプロとしての実績を作るための自己投資」だと捉えています。

この記事では、私が実際に6つのサイトを購入し、累計約130万円の投資に対して約150万円の収益(回収率114%)を上げた約2年間の実体験をもとに、「副業」の枠を超えたサイトM&Aによるスキルアップと実績作りの記録を公開します。

「自分の資金でサイトを買い、自分の手で数字を伸ばした」という経験は、何百冊の本を読むよりも、自分自身の市場価値を上げてくれるはずです。

この記事を読むとわかること
  • Webマーケターが「実験場」としてサイトを購入すべき理由
  • 筆者が130万円を投じたサイトM&Aの実績データ
  • 失敗を避けるための購入サイト選定チェックリスト
  • 譲渡価格を抑えるためのロジカルな交渉術
  • 買収したサイトの収益を最大化させる改善ステップ

この記事の著者

屋嘉比 馨
Kaoru Yakabi

ボーダーヘイズ・ジャパン代表
/ ウェブ解析士 / Udemy講師

上場企業のインハウスマーケターとして営業リード・採用獲得のWeb戦略に従事したのち独立。「Webマーケティングの民主化」をミッションに、中小企業への計測環境構築やAI活用支援を行う。Udemyでは受講生7,000名超・ベストセラーコース多数。

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Webマーケターがサイトを「買う」べき3つの理由

まずは、私が「Webマーケティングの支援者こそサイトを買うべきだ」と考えている以下の3つの理由について解説します。

  1. 「1→10」の経験を即座に開始できる
  2. クライアントワークでは不可能な「攻めた実験」ができる
  3. 「身銭を切って検証した」という圧倒的な説得力

なぜ、実績作りの手段として「サイト購入」がこれほどまでに強力なのか。Webマーケティング支援という職種の特性に照らし合わせると、3つの大きな理由が見えてきます。

1.「1→10」の経験を即座に開始できる

Webマーケティング支援を行う事業者の価値の1つは、流入経路を最適化し、コンテンツの質を高め、コンバージョン(成果)へと導く「改善力」にあります。しかし、ゼロからサイトを立ち上げると、その「改善」に着手できるレベルのアクセスが集まるまでに膨大な時間を要します。

サイトを購入すれば、初日からGoogleアナリティクスにデータが溜まっており、即座にリライトやABテストを実行できます。あなたのスキルが「1を10にするもの」であれば、1の状態をお金で買うのが最も合理的なのです。

2.クライアントワークでは不可能な「攻めた実験」ができる

クライアントのサイトやオウンドメディアでは、大胆な施策を提案したとしても、失敗のリスクを恐れて躊躇されてしまうことが多々あります。しかし、自分で買い取った「実験用サイト」であれば、サイト構造の変更や、極端なデザインの刷新、新しいツールの導入など、あらゆる仮説をノーリスクで試せます(リスクは自分が被るわけですが)。

そこで得られた「何をやったら順位が落ち、何をやったらCVRが上がったか」という生々しい一次情報こそが、他者が持っていない私だけの情報という「武器」になります。

3.「身銭を切って検証した」という圧倒的な説得力

「本を読んで理論を知っています」という人と、「自分の100万円を投資してサイトを買い、これだけの施策を打って回収率◯%を達成しました」という人。どちらがプロとして評価されるかは言うまでもありません。

自分の財布から投資し、リスクを背負って数字と向き合った経験は、机上の空論ではない「実戦的なマーケティング力」の証明になります。サイトM&Aは、単なる副業ではなく、プロとしての信頼を「買う」行為でもあるのです。

【実績公開】130万円の投資で得た6つのサイトの運用データ

私が「実験用サイト」としてサイトM&Aを活用し始めたのは、2022年のことです。これまでに合計6つのサイトを購入し、さまざまな実験を行ってきました。

まずは、購入したサイトの全体の実績をお見せします。

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サイト名ジャンル購入金額累計収益投資回収率(ROI)
サイトA転職約20万円約100万円489%
サイトBフィットネス約42万円約33万円78.7%
サイトC釣り約21万円約7万円33%
サイトD転職約24万円約8万円33%
サイトE恋愛約6万円0円0%(放置・失敗)
サイトF自動車約17万円0円0%(放置・失敗)
合計約130万円約148万円114%
2025年7月時点
総括
トータルで黒字化(回収率114%)

全てのサイトが成功したわけではありませんが、ポートフォリオ全体では投資額を上回る収益を上げています。

「当たり」を引けば爆発的な利益に

サイトAのように、適切な改善を施すことで購入額の約5倍の収益を生むケースも経験しました。むしろ、この「当たり」がなければ、未だに投資資金を回収できていません。

失敗さえも「知見」という資産になる

収益がほぼゼロに終わったサイトEやFについても「失敗した」という貴重なデータです。今こうしてコンテンツとして発表しているように、どこかで「失敗談」として語れる実績となりました(負け惜しみですが)。

上記で「成功」と位置付けているサイトAとサイトBで行ったことについても見ていきましょう。

購入したサイトで行った「実験」

ここでは、私がこれまでに購入した6つのサイトの中から、特に大きな学びがあった2つの「実験例(サイトA・サイトB)」を紹介します。

実験①:広告配置と導線の最適化(サイトA:専門職の転職ブログ)

1つ目は、とある専門職への転職をテーマにしたブログです。

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購入時の状況記事の質は非常に高いものの、収益化の導線が整理されておらず、宝の持ち腐れ状態。
施策(実験)ユーザーの検索意図を再分析し、読者が最も「解決策」を欲するタイミングで適切な広告が表示されるよう配置を全面的に見直しました。また、ボタンの文言(マイクロコピー)を数パターン試すABテストを繰り返しました。
結果購入後、わずか半年で購入金額を回収。26ヶ月間で100万円を超える利益を生み出す優良資産へと成長しました。

このサイトから得た学びは、「コンテンツが良くても、CTAの配置1つで収益が数倍変わる」ということ。「ここにCTAを置くとクリックされやすい」など、経験に基づいて提案できるようになりました。

同サイトを改善したフローはUdemyコースとしてもまとめており、収益とコンテンツ化という理想的な結果を残すことができています。

実験②:収益モデルの再構築(サイトB:フィットネス関連ブログ)

2つ目の事例は、あるフィットネス関連施設の体験談を漫画で紹介するブログです。

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購入時の状況月間10万PVという驚異的なアクセスがありながら、AdSenseのポリシー違反によって収益がほぼゼロの状態。
施策(実験)AdSenseの審査は諦め、アフィリエイト広告への切り替えを行うことで収益化を再開。収益以外にも、PVの多さを活かして読者に対してアンケート調査を行い、その結果をもとに新たな記事を作るなどチャレンジしました。
結果投資した金額は14ヶ月で8割程度回収したものの、収益を大きく伸ばすということはできていません。ただ、PVの多さを活かした読者との交流をもとにAIでコンテンツを作るなど、新たなチャレンジの場として活用しています。

このサイトから得た学びは、「ネタに困ったときには読者に頼ればいい」ということ。読者にアンケート調査を行い、そこで得た一次情報をもとに良質な記事を作ることができました。元々同サイトを運営していた方が描いた漫画も著作権ごと譲り受けたため、その絵の画風をGeminiの「Nano Banana Pro」で再現し、新たな漫画を描くことにも挑戦しています。

失敗という「負のデータ」も実績になる

もちろん、購入したサイトのすべてが成功したわけではありません。前に挙げた2サイト以外は、成功とは程遠い結果に終わっています。購入したものの更新するモチベーションが続かず、放置してしまった失敗事例もあります。

しかし、この失敗からも「自分が興味を持てないジャンルは、どれだけ数字が良くても改善のPDCAが回せない」という教訓が得られました。こうした成功と失敗のリアルな経験値こそが、クライアントへの提案に重みを持たせる「実績」となります。

これらの成功例・失敗例を踏まえて、「どんなサイトを選べばいいのか?」という点についても深掘りしていきましょう。

どのようなサイトを「実験場」に選ぶべきか?(選定のチェックリスト)

ここからは、私がサイトを購入するときの選定基準について解説していきます。

「Webマーケティングの実績作り」を目的とする場合、単に稼げそうなサイトを選ぶのではなく、「自分のスキルを注入した結果、数字が改善した」というストーリーが描きやすいサイトを選ぶのがコツです。

私の場合は、以下の4つの観点で探しています。

  1. アクセスはあるが収益が少ない
  2. 属人性の「高い」サイト
  3. 「情報の鮮度が落ちにくい」エバーグリーンなジャンル
  4. 自分が情熱を注げるジャンル

それぞれ見ていきましょう。

サイトM&Aサービスは、私は主に「ラッコM&A」を使っています。そちらで案件一覧を開き、以下の基準を照らし合わせながら探してみてください。

1.「アクセスはあるが収益が少ない」サイトを最優先する

すでに特定のキーワードで上位表示されており、集客ができているにもかかわらず、広告の貼り方が雑だったり、適切なアフィリエイト案件が置かれていなかったりするサイトは「お宝」と呼べるでしょう。前述のサイトAがまさにこれでした。

このようなサイトは、CTAの数を増やしたり配置を工夫するだけで、劇的に数字が改善します。「自分の施策によって収益が〇倍になった」という実績を最も手っ取り早く作れるターゲットです。

Googleアナリティクスのデータは偽装もできるため、アクセス数はサーチコンソールと合わせて矛盾がないか確認しましょう。

2. 属人性の「高い」サイトをあえて選ぶ

サイトM&Aのプラットフォームを見ると、多くの案件で「属人性なし(誰でも運営可能)」が売り文句として並んでいます。しかし、私はあえて属人性のあるサイトを優先的に選んでいます。前のセクションのサイトBは「手描き漫画」という圧倒的な属人性があったため選定しました。

特定の個人の経験や視点(属人性)が含まれたコンテンツは、AIには真似できない強固な参入障壁となるからです。

そうしたサイトは、すでに固定ファンがついていることが多く、検索アルゴリズムの変動を受けてもアクセスが急落しにくい傾向があります。私が手に入れたサイトも、こうした基準で選んでいるため、更新頻度が落ちても順位の下がり方は非常に緩やかです。

属人性の高いサイトは、一般的に「属人性がある=譲渡後に運営が難しい」と敬遠されるため、実は優良な個人ブログが安価に放置されているケースがあります。そこを目利きして拾い上げるのです。

コンテンツのオリジナリティが高いか否かは、AIを活用して探すこともできます。Googleの検索品質ガイドラインを情報として与え、対象の記事を読ませて判定するのです。

記事の判定には、専用のGPTsやGemを作っておくと便利です。以下の記事で解説しているので参考にされてください。

3.「情報の鮮度が落ちにくい」エバーグリーンなジャンル

情報の鮮度が落ちにくいサイトを選ぶのも重要です。数年経っても内容が陳腐化しない、いわゆる「エバーグリーン」なコンテンツを発信しているサイトを選びます。

間違っても、いわゆる「トレンドブログ」を選んではいけません。常に記事を更新し続けなければならず、実験どころではなくなってしまいます。

「転職」「資格」「暮らしの知恵」といった、数年経っても読者の悩みが変わらないジャンル(エバーグリーンコンテンツ)を選びましょう。土台が安定しているからこそ、「リライトによって検索順位がどう動いたか」という実験結果を冷静に観測することも可能です。

4. 自分が情熱を注げるジャンル

私自身の失敗から得た最大の教訓は、「興味のないジャンルは、どれだけ数字が良くても手が動かなくなる」ということです。

前述の実績のセクションで「失敗例」として紹介したサイトEやサイトFでは、購入したもののリライトの筆が進まず、放置してしまいました。

逆に、サイト Aのように「実体験に基づいた質の高い記事」が既にあるサイトや、自分の経験を活かして元の著者に憑依できるジャンルであれば、改善のアイデアが次々と湧いてくるはずです。自分の情熱をどこまで注げるかは、サイトの成長率に直結する重要な要素の1つです。

「買い」といえるサイトは1%未満

ここまでに挙げた条件で売却案件を眺めていただけると気づくと思いますが、「これは買いだ」といえるサイトはほとんどありません。

まず、ほとんどのサイトが満足な収益やPVを獲得できていません。これで9割がふるい分けされます。PVが多いサイトも、多くはトレンドブログであり「エバーグリーン」とはいえません。AIで誰でもサイトが作れる時代なので、そもそもコンテンツの品質が低いものもたくさんあります。

私の感覚では、「これは絶対買うべき」というサイトは100サイトに1つもないと感じます。それくらい、「これだ」と思えるサイトは見つかりません。焦って購入を急ぐと、私の失敗例のように放置することになってしまいます。

サイトM&Aサービスには日々新しいサイトが追加されますので、新着案件を毎日確認し、妥協せずに探してみてください。

サイトを適正価格で買うための交渉術

「実験用サイト」を手に入れる際、仕入れ価格を抑えることは、投資回収率(ROI)を高めるだけでなく、「交渉力」を試す絶好の機会でもあります。サイトM&Aの相場は一般的に「営業利益の12〜24ヶ月分」と言われますが、これはあくまで目安に過ぎません。

論理的な根拠(エビデンス)を提示することで、適正かつ有利な価格での成約を目指しましょう。私が実践している、主な交渉材料は以下の3つです。

  1. 直近のアクセス・収益の減少傾向を指摘する
  2. 「情報の鮮度落ち」をリライト工数として計算する
  3. 運営の「属人性」や「依存度」をリスクとして提示する

それぞれ詳しく解説していきます。

1. 直近のアクセス・収益の減少傾向を指摘する

売主が提示している価格は、過去数ヶ月の「平均」に基づいていることが多いです。しかし、直近1〜3ヶ月でアクセスが右肩下がりになっている場合、そのサイトの「現在の価値」は平均よりも低くなっています。「直近のトレンドを考慮すると、投資回収に想定以上の時間がかかるリスクがある」という事実を、数字を添えて丁寧に伝えます。

根拠となるデータを得るために、Googleアナリティクスやサーチコンソールの閲覧権限も付与してもらいましょう。私の場合は以下のページを共有し、権限を付与してもらっています。

特にサーチコンソールは、サイトが受けているペナルティなども確認できますので、必ず権限をもらいます。権限付与を拒まれる場合には、購入を諦めて交渉を打ち切るのが得策です。

2.「情報の鮮度落ち」をリライト工数として計算する

特に数年間放置されているサイトの場合、リンク切れや情報の陳腐化が目立ちます。これらを修正し、Googleの評価基準に適合させるには膨大な「リライト工数(時間・コスト)」がかかります。

「このサイトを復活させるには〇記事分のリライトが必要であり、そのコストを差し引くとこれくらいの価格が妥当ではないか」と、具体的な作業量をベースに提案します。

例えば、クラウドソーシングサイトの相場を参考に「ライターに依頼すると記事1本あたり5000円かかる」などと基準となる金額を算定し、それに記事の本数を掛け合わせて、差し引く金額を打診してみましょう。

3.運営の「属人性」や「依存度」をリスクとして提示する

特定の運営者のキャラクターに依存しているサイトや、特定のASP案件に収益のほとんどを依存しているサイトは、譲渡後に数字が落ちるリスクを孕んでいます。

「運営者が変わることでユーザーが離れるリスク」や「案件終了時に収益がゼロになるリスク」を論理的に説明し、リスク分を価格に反映させてもらうよう交渉します。

前の方で「属人性が高いことが価値になる」と紹介していますが、ほとんどの売り手はそれを「弱点だ」と認識しています。だからこそ通じるロジックです。私と同じ価値観を持つ相手だと、この交渉術は使えません。

相手へのリスペクトを忘れない

私が価格交渉をする際に最も大切にしているのが、「サイトの売り手へのリスペクトを忘れない」ということです。

交渉は「値切り」ではなく、「適正なリスク分担の提案」です。売主がこれまで手塩にかけて育ててきたサイトへの敬意を払い、「このサイトを私が引き継ぎ、このように改善してさらに伸ばしていきたい」というビジョンを伝えることで、多少の価格差があっても「この人なら譲ってもいい」と思ってもらえる場合もあるはずです。

売り手は、そのサイトをこの世に生み出し、ここまで育ててきてくれた方です。これまでの苦労に寄り添い、その上で「自分が妥当だと考える金額」を提示しましょう。

購入後に収益を倍増させる「Web改善」の5ステップ

サイトを引き継いだ瞬間から「実験」が始まります。行き当たりばったりに修正するのではなく、「分析し、仮説を立てて、実行する」というロジカルな手順で改善を進めましょう。私が実際に収益を倍増させた際に踏んでいる5つのステップを紹介します。

STEP

サイトのボトルネックを探す

まずは、サイトの収益を以下の要素に分解し、ボトルネックになっていそうな箇所を特定します。

収益 = 表示回数(PV) × クリック率(CTR) × 発生率(CVR) × 承認率 × 単価

上記のどこをいじれば最も数字が跳ねるかを見極めます。例えば、アクセスはあるのにクリックされていないなら「CTR」が、クリックはされているのに決まらないなら「単価や案件選定」がボトルネックになります。

ほとんどのサイトは満足にGoogleアナリティクスを設定していないことが多いので、デフォルトで計測されている「click」などのイベント数を見て推測します。合わせて、今後のためにGA4で必要なイベント設定を行います。

STEP

即効性のある「出口」の最適化

最も早く結果が出るのは、集客(入り口)ではなく収益化(出口)の改善です。

  • 広告配置の見直し:ユーザーの熱量が高いリード文直後や、納得感が高まったまとめ部分に適切なリンクがあるか?
  • マイクロコピーの改善:ボタンの文言を「詳細はこちら」から「〇〇の料金プランを見る」に変えるだけで、CTRが劇的に変わることもあります。
  • リンク切れの修正:地味ですが、機会損失を防ぐ最も確実な施策です。
STEP

内部リンクの再設計による「回遊性」の向上

購入したサイトの多くは、記事が「点」で存在しており、うまく繋がっていないことがあります。 アクセスが集まっている「集客記事」から、収益を生む「成約記事」へと、読者の悩みの流れに沿って内部リンクを設置します。

内部リンクの見直しをするだけで、大抵の場合検索順位が改善します。サイト全体のPV底上げとCVR向上を同時に狙うことができる効率の良い対策です。

STEP

リライトによる「情報の鮮度」アップ

記事のエビデンスとして使っている調査データなどを最新のものに差し替えます。

属人性の高いサイトなら、「質の高い実体験」や「独自のデータ」がすでに存在するので、客観的なデータや外部の権威あるサイトへのリンクを追加することで「一次情報×エビデンス」という強固な記事にアップデートできます。

STEP

GA4・サーチコンソールによる「答え合わせ」

施策を打ったら、必ず数字で検証します。 「リライトで検索順位が期待通り上がったか」「ボタンの色や配置を変えてクリック率はどう変わったか」。こうしたPDCAのサイクルを回し、そのプロセスをキャプチャや数値で記録しておきましょう。それがそのまま、「Webマーケターとしてのポートフォリオ」になります。

数値の計測は、あらかじめGA4にイベントを計測しダッシュボードを作っておく必要があります。以下の記事も参考にされてください。

サイトM&Aをおすすめできない人の3つの特徴

サイトM&Aは、Webマーケティングを生業にする人にとって強力な武器になりますが、一方で非常にリスクの高い投資でもあります 。私自身、購入した6サイトのうち、全てのサイトで成功を収めているわけではないことは前述のとおりです。

以下のような方には、サイト購入はおすすめできません。

  1. Webサイトの運営経験が全くない人
  2. 「楽に稼ぐこと」だけが目的の人
  3. 資金に余裕がない人

それぞれ見ていきましょう。

1.Webサイトの運営経験が全くない人

サイトM&Aで最も重要なのは、買うべきサイトを見極める「目利き」です。

自分自身に運用経験がなければ、そのサイトが本当に「良いサイト」なのか、あるいは改善の余地があるのかを判断する基準が持てません。「作り手」の視点がないまま購入してしまうと、購入資金を無駄にするリスクが非常に高まります。

また、購入後は記事を書いたり画像を作ったりWordPressの設定を変えたりと、実際に手を動かす必要があります。購入後に手を加えていくことができなければ、せっかく手に入れたサイトの価値は下がる一方です。業務を外注する場合にも、今度は「良い外注先」の目利きが必要になります。

こうした理由から、サイト運営が全くない人にはM&Aは難しいでしょう。

2.「楽に稼ぐこと」だけが目的の人

稼ぐことが目的の人もサイトM&Aに手を出すのはやめた方が良いです。「完成したサイトを買えば、あとは何もしなくてもお金が入ってくる」ということはほぼありません。それができないから、サイトが売りに出されているわけです。

サイトを譲り受けた後は、収益を維持・向上させるために、リライトや広告配置の改善、記事の追加といった「泥臭い運用」が不可欠です。

実体験として、購入後に改善をせず放置してしまったサイト(私の事例ではサイトEやFなど)は、収益を上げることができず、結果として「購入費用を捨てた」のと同じ状態になっています。

運用作業そのものを楽しめる、あるいは「実験」として取り組めるマインドがなければ、継続は困難です。

3. 資金に余裕がない人

サイトM&Aは、年利100%以上という高いリターンも狙える一方で、「投資した資金がゼロになる可能性」をはらんだ超ハイリスクな投資といえます。

購入時にどれだけ慎重に選んでも、Googleのアルゴリズムのアップデート一つで検索順位が急落したり、メインのアフィリエイト案件が終了したりと、昨日まであった収益が今日からゼロになるリスクが常にあります。

万が一失敗しても「授業料」として割り切れる、「最悪なくなっても事業活動や生活に支障がない余剰資金」で行うのが鉄則です。

まとめ:サイトM&Aは「知識」を「実績」に変える最高の自己投資

サイトM&Aを単なる「副業」としてではなく、Webマーケターとしての市場価値を高めるための「戦略的な実験場」として活用する方法をお伝えしてきました。

最も重要なマインドセットは、「本を100冊読むよりも、20万円のサイトを一つ買って動かす方が、得られるものは圧倒的に多い」ということです。

私たちは、GA4の設定方法やリライトのコツ、SEOの最新トレンドなどを「知識」として知っています。しかし、それらが本当に正しいのか、自分の手で試して結果を確認したことは何度あるでしょうか?

自分の資金を投じ、リスクを背負って運営するサイトからは、「本物のデータ」を得ることができます。

  • 施策が当たったときにテンションが上がる感覚
  • アップデートで順位が落ちたときの焦燥感
  • 試行錯誤の末に収益がV字回復したときの達成感

これらすべての体験が、あなただけの「現場感覚」というデータとなり、使い方によっては圧倒的な差別化要因となり得ます。

もちろん、最初から100万円単位の投資をする必要はありません。数万〜十数万円の「手が届く範囲」のサイトでも、根気よく探せば「お買い得な案件」を見つけることはできます。Webマーケティングの実績を作りたいけれど、ゼロイチは気が遠くなるという方は、まずは1サイト目を焦らず探してみてください。

最初から成功することはないでしょう。ただ、失敗も1つのデータです。

Webマーケターとしてもう一段上のステージへ行きたいのなら、サイトM&Aという選択肢を、あなたのキャリア戦略に加えてみてください。

Web担当者のための「GA4×AI」実践ガイド配布中

GA4の基本からAIプロンプトまで、現場で「すぐ使える」知識を厳選して収録しました。

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屋嘉比 馨
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
ウェブ解析士協会所属・ウェブ解析士。
ラジオ局、広告代理店などに勤務ののち、大手SIerのWebマーケティング担当に。主にオウンドメディア、広告運用にて営業リード・採用応募獲得に貢献。
2022年に独立し、ボーダーヘイズ・ジャパンを設立。
これまで100サイト以上の改善・計測環境構築に貢献した経験をもとにUdemy講師としても活動中。受講生4,600人以上、Udemy Business認定コースも含めベストセラーコース5本を抱える。

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