GA4によるアクセス解析でブログやオウンドメディアの収益を爆上げする方法
- ブログへのアクセスはそこそこあるけど、アフィリエイトの収益が上がらない
- オウンドメディアのPVがいくら増えても、ほとんど問い合わせにつながらない
- どの記事をリライトすればいいかわからず途方に暮れている
そんな方に向けて、この記事ではブログの収益改善方法について解説します。
実在するブログのアフィリエイト収益のデータがどのように変化するのかをお見せしながら解説するので、記事に書いてあることを実行すれば再現性高く成果を改善できるはずです。
ここで紹介する内容は、私が企業のWeb担当者として実績を上げた方法を、個人ブログに応用したものです。個人はもちろん、企業のオウンドメディア運営をしている方にとっても有益な内容になっているはずです。
まずはじめに、この記事の内容を元に実際に改善を行ったブログのデータをお見せすると、以下の画像の通りです。
改善前と改善後のアフィリエイトリンクのクリック数や成果発生数が増加していることがお分かりいただけると思います。改善前後でのPVは大きく変わっていませんが、収益は約5倍に増加しています。
何をしたのかをはじめにお伝えしておくと、GA4でユーザーの行動データを集めるということです。
もちろんデータを集めるだけでアクセス数が伸びるということはありません。集めたデータを分析し、問題のある記事を特定した上で改善したということです。
前述のブログでは、改善を行った記事は全体の3割(30記事)程度です。データに基づいて改善の効果が見込める記事をピックアップし、ピンポイントでリライトを行うので無駄がないということですね。新しい記事の追加も行っていません。リライトのみで収益を5倍に成長させることができました。
なお、本記事では直接的なSEOには触れません。ですが、記事の質を向上させることでユーザー行動を最適化するという対策ですので、間接的なSEO効果も期待できます。
近年はGoogleもユーザー行動を見ていると言われているため、サイト内の行動改善(UI/UX含む)は非常に重要です。実際に、この記事で紹介するブログも、Googleの度重なるコアアップデートのネガティブな影響をほとんど受けておらず、この1年間は安定したアクセスを維持しています。
データを取って効果的な改善を行えば、少ない記事数やPVでも大きな収益を生み出すことが可能だということです。
ぜひ、あなたのブログでも記事の内容を実践してみてください。
なお、この記事はUdemyコースで解説している内容を抜粋したものです。完全版を動画で学びたいという方は、以下のページからご覧ください。サンプル動画もご用意しています。
GA4でブログやオウンドメディアの収益をグングン伸ばす
実際の成果データを使った実践的なアクセス解析・Webサイト分析・改善術について解説しています。
ブログ分析・改善の流れ
まずは、実際のデータを用いた分析の手順について簡単に説明します。
私のブログ分析・改善は、大まかに以下の4つの手順で行います。
基礎分析
基礎分析の目的は、サイトの全体傾向の把握です。ここで、想定した読者像と実際のユーザー像にギャップがないかも確認します。サイトの傾向は短期間で変わるものではないため、定点観測用のダッシュボードを作り、月1回程度のペースで見ていきます。
課題発見
課題発見では、サイト全体の状況を把握した上で、改善すべき課題を探ります。特に改善が必要なページを特定し、コンバージョンを阻害する要因を探ります。コンバージョンが出ていないページの問題点や、コンバージョンが出ているページでの改善可能性を見ていきます。
アクセス数の増加など他の目的での改善を行う場合は、Search Consoleでの検索順位やクリック数なども参考にします。
施策実行
ここでは、実際に改善施策を行います。アフィリエイトブログやオウンドメディアの場合には、ここで行う施策は主にCTA(Call To Action:ユーザーからの反応をもらうバナーやリンク)の増加や位置の調整などが中心になります。
効果検証
最後に施策の効果を振り返って検証します。施策後に一定期間を空けて指標の変化を確認し、長期的な視点で改善の効果を見ます。指標によっては、すぐに変化が現れることもあれば、時間を要する場合もあります。得られたデータをもとに、さらなる改善を行っていきます。
これだけ見てもイメージしづらいと思いますので、それぞれの内容について、次のセクションで詳しく解説します。
基礎分析
ブログの基礎分析では、サイトの規模やトレンド、ユーザー像など把握します。GA4のデータを使ってダッシュボードを作っていきます。
サイト全体の状況を把握する場合、Looker Studioを使うとデータを見やすくまとめられます。GA4の標準レポートや探索を使ってもいいのですが、見たい形式で一覧化できないデータもあるので、おすすめはLooker Studioを使う方法です。
サイトの規模とトレンド
最初に規模とトレンドを見ておきましょう。Looker Studioで以下のような期間グラフを作成します。
サイトで扱っているジャンルや商品により異なりますが、月間3,000回程度のページビューがあれば、サイトの傾向を大まかに理解できるでしょう。
サイト全体のアフィリエイトリンクのクリック率は、だいたい1%程度に落ち着くので、3ヶ月分で約100回のアフィリエイトリンククリックが見込めます。最低限これくらいの規模のデータがあれば、施策を行なった時にも変化が見えやすくなるはずです。
※3,000PVというのは、あくまでも最低限の目安です。データは多い方が分析もしやすく改善の速度も上がります。
ユーザー属性(年齢・性別)
サイトの規模を把握したら、今後はユーザー属性についても見ていきます。
Looker Studioで、縦軸に「年齢」、横軸に「性別」を設定したピボットテーブルを使うと、見やすい表を作ることができます。
上記の場合には、25-34歳の男性のアクセス数が最も多く、コンバージョンもそれなりに出ていることがわかります。
ここで紹介した以外にも、地域性のあるブログやビジネスの場合には地域別のデータ、広告やSNSなど複数の流入チャネルを運用している場合にはユーザーの流入元(獲得チャネル)のデータもレポートに加えておくと便利です。
ページ別のデータ(どのページが見られているか)
さらにページ別のデータも見ていきます。
なお、上記で使っているGA4には、複数のカスタムイベントを設定しています。標準の指標やディメンションだけでは分析できないデータがあるためです。ブログの場合には、最低限以下のようなイベントを設定すると効果的な分析が可能です。
指標名 | 役割 |
---|---|
アフィリエイトリンククリック | ブログ内でクリックされたアフィリエイトリンクのクリック数。収益ブログの場合にはコンバージョン(キーイベント)となる指標です。 |
アフィリエイトリンク表示回数 | ブログ内でアフィリエイトリンクがクリックされた回数。リンクがクリックされるためには、ユーザーに対して表示される必要があるため、この値も計測します。 |
目次クリック | 記事内の目次がクリックされた回数。記事がどれくらいアクティブに読まれているかというパフォーマンス分析のために使います。 |
スクロール | 記事がどれくらいの深さまでスクロールされたのかを計測。記事のどの地点まで読まれているのかを分析するために使います。 |
この先は、カスタムイベントが設定されていることを前提に進めていきます。前提条件がわからない場合には理解が難しいかもしれませんので、以下の記事も参考にしながら読み進めていただければと思います。
イベント設定の方法については、以下の記事で解説しています。
そもそもGA4の「イベント」についてイメージが湧かないという方は、以下の記事を参考にされてください。
課題発見
サイトの全体像が見えたら、課題発見の分析に入っていきます。
このプロセスは、以下の3ステップで進めていきましょう。
それぞれのステップについて詳しく解説していきます。
課題があるページの特定
最初に、成果の上がらない記事を見つけましょう。
ブログの場合には、アフィリエイトリンクのクリック数が少ないページ、オウンドメディアの場合にはCTAのクリックが少ないページです。
基礎分析で作成したページ別のデータを元に、課題のある場所を探していきます。アフィリエイトリンクのクリック数はもちろんですが、「アフィリエイトリンクが表示された回数」にも注目しましょう。
以下の画像の中の「View/PV」という指標は、ページビューあたりのアフィリエイトリンクの表示回数です。ユーザーが1ページ表示するたびに、アフィリエイトリンクが何回見てもらえたのかということですね。
上記画像では、View/PVが1を下回る記事もあります。これは、サイトを訪れたユーザーに対して、アフィリエイトリンクが1回も表示されなかったことがあるということを表しています。非常にもったいないですよね。
こうしたページは、アフィリエイトリンクの表示数を増やすだけでも成果が改善することがあります。
優先度の高いページの選定
ここでは、前のフェーズでピックアップした対策すべき記事の中から、さらに優先的に対応していくページを探していきます。
リライトにはそれなりの手間や時間がかかるので、改善幅の大きい箇所から着手することで、早く成果を出すことができます。
優先度が高い記事は、ページビューあたりのアフィリエイトリンクの表示回数が少ないことに加え、「(他の記事よりも)ページビューが多い」「購買意欲が高いユーザー向けの記事」という条件を加えて探していきます。
購買意欲が高いユーザー向けの記事というのは、例えば転職系のブログであれば、「転職手順を詳しく解説した記事」「業界や会社の比較記事」などです。以下のようなファネルの「行動」に近い段階にいるユーザーということです。
こうした条件を備えたページでは、ページ内のアフィリエイトリンクやCTAの数を増やすだけでクリック数が増える増えるはずです。
上記のブログの場合には、下の画像の記事が条件に当てはまりました。
この改善対象の記事を、次のフェーズでさらに深掘り分析していきます。
個別の記事の詳細な分析
ここでは、改善対象の記事を個別に分析します。
私の場合には、以下の項目を中心にチェックしていきます。
- ファーストビューにCTAがあるか
- 文脈に応じて適切にCTAが配置されているか
- 記事の最後にCTAがあるか
- リード文に唐突感がないか
- 目次が機能しているか(クリックされているか)
- メインで使われているデバイス(PC/スマホ)で読みづらい箇所はないか
- 強調箇所は適切か
特に優先すべきは、アフィリエイトリンクが適切に配置されているかという点です。収益記事として最も致命的なのが、アフィリエイトリンクがユーザーに見られないことです。なので、アフィリエイトリンクの配置を最優先で見ていきます。
上記チェック項目をもと、アフィリエイトリンクを増やし、全体的な読みやすさを整えることで、記事単体の成果は以下のように改善しました。
改善の結果、0件だったアフィリエイトリンクのクリック数は9件に増えています。
ユーザーが価値ある行動をとった割合であるエンゲージメント率も大幅に上がっており、ユーザーの課題解決への貢献度が上がっていることが伺えます。
「エンゲージメント率」というのは、サイトが有意義に読まれているか、というユーザー行動を把握するための指標です。詳しくは以下のページで解説しているので、あわせてご覧ください。
では、具体的にどのようにアフィリエイトリンクを追加していったのか、次の章で解説します。
施策実行
ここでは、実際にブログに対して行った改善施策について解説します。
ブログの収益を伸ばすための主な施策はアフィリエイトリンクの増加ですが、ただ闇雲に増やすだけでは効果は望めません。
アフィリエイトリンクやCTAを追加する場所にはセオリーがあります。今回のブログでは、以下の4つの施策をすべてのページで共通して実施しました。
- 冒頭に設置するテキストリンク
- 目次の上に配置するCTAエリア
- 文脈に応じて設置するボタンやテキストリンク
- 記事の最後に設けるCTAエリア
それぞれの場所のクリック率のデータとともに、詳しく見てみましょう。なお、ここで紹介している「クリック率」は、アフィリエイトリンクの表示回数に対するクリック率です。ページビューに対するものではないのでご注意ください。
冒頭のテキストリンク
冒頭のテキストリンクは、記事のメインビジュアルの直下に配置しています。
この部分は訪問者が記事を読み始める前に目にするため、クリック率は自然と低くなります。しかし、記事を読まずにサイトを離れようとする訪問者に対しても、少なくとも一度はCTAを見てもらうために設置しています。
実際、この位置でのクリック率は低いですが、ここをクリックしたユーザーは、後に戻ってきて行動を起こしてくれることもあります(最終コンバージョンまで計測可能なECサイトで検証)。
目次上のCTA
目次上のCTAは、リード文が終わった直後に配置しています。リード文を読み終わったユーザーというのは、記事の内容に対する関心が高まっているため、商品について丁寧に解説した長めのCTAを配置しています。
冒頭のCTAに比べ、クリック率は約1%と高めに出ています。リード文を読み終わったユーザーの100人に1人はアフィリエイトリンクをクリックしてくれるということです。
CTAの長さについては、コンバージョンに近い記事は長めのもの、購買意欲が高くないユーザーが読みそうな記事には短めのものを設置するなどの調整が必要です。
文脈ボタン・テキストリンク
記事の文脈に合わせて、個別にアフィリエイトリンクを配置していくことも重要です。
自然な流れでリンクに対して誘導できるので、クリック率は非常に高くなります。
ただし、配置の仕方が難しいのも、このCTAの特徴です。ブログ記事はそれぞれ異なるので、画一的に「どこに配置する」と言えるものではないからです。まさに「文脈に合わせて配置していく」ということになります。
ただ、必ず配置した方が良いのは、ユーザーが行動したくなる文章の後です。例えば転職サイトであれば、以下のような形で配置するのが効果的です。
この企業に応募する場合には、◯◯(サービス名)を使うのがおすすめです。以下のリンクから公式サイトで登録しておきましょう。
◯◯(サービス名)の公式サイトを見る
記事の内容に合わせてCTA周辺のテキストを調整していくことも重要です。詳しくは以下の記事でも解説しているので参考にされてください。
ここではボタンを例に出していますが、購買意欲が高くない訪問者には、テキストリンクの方が適しているかもしれません。
記事の最下部のCTA
記事の最下部のCTAは、記事を最後まで読んだユーザー向けに配置します。
記事を最後まで読むユーザーは、より深刻な悩みを抱えているといえます。そのため、解決策として置いているリンクのクリック率が高くなります。実際に測ったデータでは、CTAのクリック率は2%近くに達しています。
記事下のCTAは、サービスの内容について詳しく解説するようにしましょう。
CTA配置のセオリー
CTAの効果を最大化するためには、ユーザーがクリック後に何が起こるかを明確に示すことが重要です。
例えば、転職エージェントの広告では、登録だけでは報酬が発生せず、担当者がユーザーに対してコンタクトが取れた時点で成果となるものも多くあります。こうした広告の場合には、クリックした後に起こることをユーザーに知っておいてもらうことで、広告の確定率を上げることが可能になります。
以下のような文言をCTAの周りに配置するマイクロコピー(CTAを補足する文言)に加えておくと良いでしょう。
例:クリック後に表示されるフォームから申し込むと、2〜3日以内に担当者から連絡があります。そこで面談日程を調整しましょう。
「マイクロコピー」は、株式会社オレコンの登録商標です。 マイクロコピーについて詳しくは、同社の代表である山本 琢磨氏による書籍「ザ・マイクロコピー」をご覧ください。
Webサイト運用をするなら必読の一冊です。
CTA配置のセオリーについては詳しく書いた記事もあります。以下も参考にされてください。
効果検証
ブログの改善施策を実施した後、その成果を正しく評価するためには、効果検証が不可欠です。
効果検証を行う場合にも、Looker Studioで以下のようなレポートを作っておくとビフォーアフターがわかりやすくおすすめです。
改善を行うページごとに、このようなレポートを作っておき、コンバージョン(アフィリエイトリンクやCTAのクリック数)がどのように変化するかを観察していきましょう。
方向性の違ういくつかのページで同様に数字を見ていくと、成果の上がりやすいページの傾向が見えてきます。
まとめ
ブログやオウンドメディアの成果改善に役立つアクセス解析の方法を紹介してきました。
SEO集客ができているWebサイトの場合、アフィリエイトリンクやCTAがクリックされないのは、それらがユーザーの目に留まっていないケースがほとんどです。まずは、リード文の後や読了後など適切な位置にCTAを配置することから始めてみましょう。
ただし、「ただバナーを貼るだけ」というような適当な対応では効果が上がりません。文脈に沿って、ユーザーが「欲しい」と思えるタイミングでリンクやボタンを表示させることが重要です。通常のリライトと同じく手間がかかります。
そのために、対応する記事の優先順位を決める必要があるということです。優先順位を決めるためにはデータ計測が必須です。最低限、アフィリエイトリンクの表示とクリックのデータは計測しておくようにしましょう。これらの方法は、以下の記事でも解説しています。
また、この記事の内容をさらに詳細化したオンライン講座もUdemyで配信しています。以下のページからクーポンを取得できますので、より深く学びたい方はこちらも参考にされてください。
GA4でブログやオウンドメディアの収益をグングン伸ばす
実際の成果データを使った実践的なアクセス解析・Webサイト分析・改善術について解説しています。
もちろん、この記事で紹介したことをすべて行ったとしても、成果が上がらない場合もあります。世の中には1つとして同じWebサイトやブログは存在しないため、すべてのケースに当てはまる施策というものはありません。
さらに、そもそも文章のクオリティが低かったり、サイトの読み込み速度が遅いなど、成果が上がらない要因は他にも考えられます。
この記事で紹介した分析を一通り行っても成果が上がらない場合には、制作の前段階でのキーワード選定や検索意図などの上流の設計時点で問題があるのかもしれません。その場合には、サイト設計から見直すことをおすすめします。