NotebookLM音声概要で自分の文章を「再発見」する|AIによる編集会議
「自分の書いた文章を客観的に見ることが大切」
文章術の本などを読むと、結構な割合で出てくるフレーズです。
とはいっても、他人になりきって自分の書いた文章を客観視するというのは、なかなか難しいと思いませんか? 自分の書いたものは、どうしても自分の目線でしか読めないですからね。こうして文章を書く機会の多い私でも、常に感じている課題です。
そんな自分の文章を客観視するときに役立つのが、「NotebookLMの音声概要機能」です。GoogleのAIツール「NotebookLM」の中で提供されているこの機能は、入力したテキストや音声などを要約し、2人のパーソナリティが資料を読み解きながら対話するという形式で進行されます。
つまり、自分が書いた文章を入力すれば、その内容について他人があれこれ議論しているような音声を聞くことができるのです。
どんなものなのか、実際に聞いてみるほうが早いと思うので、本記事を音声ファイル化してみました。音声が聞ける環境の方は、以下を再生してみてください。
とてもAIと思えないような自然なやり取りなので、あたかも自分の書いた記事についての勝手な批評を覗き見している、そんな感覚になるのではないでしょうか。こうして第三者に見てもらうことで、「そんな見方もあるのか」「ああ、ここは説明が足りなかったな」といった、新たな気づきが次々に浮かんでくるというわけです。
この記事では、NotebookLMの音声概要機能を使って、どのように自分の文章を客観視できるのか。実際の使い方とともに、その効果について掘り下げていきます。
NotebookLMの音声概要機能とは?
NotebookLMは、Googleが提供するナレッジ整理ツールです。ドキュメントの他、WebサイトやYouTubeのリンクをアップロードすることで、それらをもとに要約や質問応答ができるのが特徴です。この中で、2025年4月に日本語対応した「音声概要機能」が、「簡単にポッドキャストを作れる」と注目されています。
この音声概要は、あらかじめ指定したドキュメント(記事や動画)をもとに、2人のパーソナリティがその内容について議論する、という形で作成されます。
読むのに時間がかかる難解な資料の概要を「ざっくりとつかむ」というのがスタンダードな使い方です。
たとえば、法律の条文を全部読むのは大変ですが、NotebookLMの音声概要機能で要約すると、楽しく聞けるラジオ番組に仕上げてくれます。
以下は、実際に「著作権法における引用の解釈」について議論してもらった内容です。
元にした文章:著作権法 – e-gov 法令検索
こんな感じです。難しい内容でも、まるでラジオ番組の1コーナーのように気軽に聞けるようになります。
この機能を、自分のブログを客観視するために使ってみようというわけです。
とりあえず音声概要機能を使ってみよう
NotebookLMで音声概要機能を使う方法は非常にシンプルですので、今すぐ試してみてください。NotebookLMの無料版では、1日3回まで音声概要を作れます。
以下の3ステップを踏むだけで、数分後には自分の文章に対する「他人の声」を聞くことができます。
ソースを追加
「ソースを追加」画面が表示されるので、ここにNotionやGoogleドキュメントで書いた記事のURLやテキストを1件だけ追加します。
今回の例では、「テキストを貼り付ける」を選択します。

以下のように、入力欄にテキストを貼り付けて「挿入」ボタンを押します。

音声を生成
テキストを貼り付けた場合、ソース名が「テキストを貼り付けました」になります。ソース名は音声内でも言及されるので、あらかじめ「ソース名を変更」から変えておきましょう。
さらに、画面右側の音声概要の「カスタマイズ」を押します。

カスタマイズメニューでは、AIに話してほしい切り口や話し方を指定できます。自分の文章を読んでもらう場合には、以下の画像のように「批判的な意見も盛り込んで」などと入れておくことで、パーソナリティの一方が「反論」的な言い回しで話してくれます(気がします)。
最後に「生成」ボタンを押して数分間待ちましょう。

これだけで、冒頭に貼ったような音声ファイル(以下に再掲)が作成されます。
生成される音声は5分〜10分程度。しかも倍速再生にも対応しているので、全体を聞くのにかかる時間もそれほどではありません。
自分の文章を客観視する
文章を客観的に見直すという作業は、実は非常に難易度が高いものです。自分で書いた文章は、構成も背景も理解しているため、脳が補完してしまい、読者視点で読み直すことができないからです。
NotebookLMの音声概要機能が面白いのは、ただ要約されるだけでなく擬似的な「読み手の反応が含まれている」という点です。感情の抑揚や語り口があることで、「他人が話している様子」として耳に届きやすくなります。結果として、自分の文章に対して新しい視点を持つきっかけになりやすいのです。
前のステップで生成された音声を聞くと、「あ、ここは説明不足だったな」とか「この部分は視点が一方的かもしれない」といった気づきが浮かんでくるのではないでしょうか。中には、「この問いの立て方は面白い」と、自分では気づけなかった魅力を再発見することもあります。
私がとくに印象的だったのは、数日前に書いた記事をこの機能で聞き直したときのこと。文章を書いている当時の自分とは別の立場から、「その主張、ちゃんと根拠ある?」と問いかけられるような感覚を覚えたのです。
もちろん、提供した資料の内容に沿って話すので、基本は肯定的に会話が進みます。ですが、「他人」の声を通して自分の意見と心理的に距離を置けるので、「その主張ってどうなの?」と自分の中から自然と批判的な意見が湧き出てくるというわけです。
音声概要の機能を使い始めてから、単なる誤字脱字のチェックではなく、構成や論点そのものの見直しができるようになりました。
「関係のない第三者に見てもらって、あれこれ話してもらう」という体験は、まるで自分の文章が編集会議にかけられているような感覚になるため、一歩引いた距離から文章に向き合えるようになるというわけです。
まとめ:他人の声で、自分の文章を再発見する
自分の文章を客観的に見るということは、文章の書き手にとって永遠の課題です。どれだけ経験を積んでも、自分の癖や盲点から完全に逃れることはできません。
だからこそ、NotebookLMの音声概要機能のように、「自分の文章を、他人が話す声で聞く」という手法は、非常に有効だと感じています。自分では気づけなかった視点、言葉の選び方、論点の偏りに、自然と目が向くようになるからです。
NotebookLMの音声概要機能を日々のライティングのフローに組み込めば、自分の中に「もうひとりの編集者」を持つことができます。たった5分の音声を耳で聞くだけで、新たな改善点が浮かび上がってくる。そんな体験を、ぜひ味わってみてください。
AIで記事を分析する方法は、他にもいくつか記事を書いています。以下も参考にされてください。
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