質の高いコンテンツを作るための「一次情報」の集め方と使い方

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どのようなコンテンツを作ればユーザーの課題を解決し、検索エンジンにも評価されるのか?

ブログやYouTubeなどで発信している人にとっての永遠の課題です。

私自身、当サイトやYouTube、Udemy講座などコンテンツを発信しており、常にこの課題と向き合っています。また、クライアントから同様の相談をいただくことも多いです。

読者の課題を解決し、検索エンジンで上位表示されるような「質の高いコンテンツ」を作るにはどうすれば良いのか。

旧来の「SEO記事」を作るときにセオリーとして言われていたのは、「すでに検索上位にある記事の内容を真似る」「Yahoo!知恵袋を見る」といったこと。ただ、これらは所詮は他人の体験や考えの引用であり、自分のコンテンツに取り入れたところでオリジナルを超えることはありません。ユーザーにしてみれば、他のサイトにも書いてあることをわざわざ読む必要もないわけです。

質の高いコンテンツを制作するために、私が最も重要だと考えているのが、「一次情報」を手に入れるということです。私は常にこれを意識してコンテンツを作っています。

一次情報とは、他のサイトや資料からの引用ではなく、自分で調査・収集した「生の情報」のことを指します。例えば、自分自身の体験、自分が行ったアンケート結果やインタビュー内容、現地での観察や実験結果なども一次情報です。

こうした情報を手に入れたり作ったりするのは非常に手間がかかることではありますが、これを惜しまずに作ったサイトは、更新を止めても検索上位を守り続けます。

一次情報を積極的に取り入れることは、検索エンジン大手のGoogleが推奨していることでもあります。Google検索セントラル内にも以下のようなチェック項目があります。

コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。

Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」

もちろん、検索順位は他にも様々な要素が考慮された上で決まります。ただ、検索セントラルに記載されていることは、Googleがコンテンツを評価する際に重視していることは間違いありません。検索エンジンの方を向いて記事を書くことはおすすめしませんが、客観的な基準の1つとしてはとても有効だと思っています。

とはいうものの、「実際のところ、どうやって一次情報を集めるのかわからない」「自分には特別な実績がないし難しそう」という方が大半でしょう。

しかし、実はあなたが毎日見ているアクセス解析ツールの中にも、世界に一つだけの一次情報は眠っているかもしれません。

この記事では、私が一次情報を集めるために普段から実践している方法をお伝えします。意外なところに情報は転がっているものです。すぐに実践できるものばかりですので、ぜひ参考にして質の高いコンテンツを作ってください。

一次情報の定義についての整理

SEO業界では政府統計などを「一次情報」と呼ぶ場合もあります。しかし、それらは「その機関にとっての一次情報」であり、引用する側の私たちにとっては、厳密には「エビデンスとなる二次情報」に過ぎません。

これらは混同しがちですが、質の高いコンテンツを作るためには、以下のように明確に分けて捉える必要があります。

  • 公的エビデンス:政府統計や白書。信頼性の土台にはなるが、誰でも手に入る「借り物」の情報
  • 独自の一次情報:自分自身の体験、実験、直接の取材。これがコンテンツの「核」となる

誰にでも手に入る公的な情報を単純に記事に載せるだけでは、「引用」をしただけです。自らの足で稼いだ一次情報を核に、それを公的なエビデンスで補強する。または、公的機関の情報を経験に基づいた独自の視点で解釈する。それが、真に価値ある情報を生み出すことにつながります。

この記事を読むとわかること
  • アクセス解析(GA4)データを一次情報として活用する方法
  • 信頼性の高いアンケート回答やユーザー生成コンテンツ(UGC)の集め方
  • 潜在的な悩みを掘り起こすための効果的な「取材」の方法
  • 収集した情報をコンテンツやAIライティングへ活用する方法

この記事の著者

屋嘉比 馨
Kaoru Yakabi

ボーダーヘイズ・ジャパン代表
/ ウェブ解析士 / Udemy講師

上場企業のインハウスマーケターとして営業リード・採用獲得のWeb戦略に従事したのち独立。「Webマーケティングの民主化」をミッションに、中小企業への計測環境構築やAI活用支援を行う。Udemyでは受講生7,000名超・ベストセラーコース多数。

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一次情報の集め方

ここでは、一次情報の集め方を難易度別にレベル分けして解説します。

最初は取り組むハードルが低い「主観的な発信」から始め、徐々に「客観的なデータ」や「他者の声」へと、情報の解像度を上げていきましょう。まずは、誰でも今すぐ実践できる「Level 0(個人の体験や感想)」から解説します。

Level 0:個人の体験や感想を書く

最も身近で、かつ強力な一次情報の源泉は「あなた自身の主観」です。特別な調査やデータ、高度な専門知識がなくても、「自分が実際にやってみてどう感じたか」は、世界に一つしかない貴重な情報になります。

例えば、新しいツールを導入した際の「ここが使いにくかった」という不満や、施策が失敗した際の「こうすれば良かった」という後悔。これらはネット上のどこを探しても見つからない、あなただけの「体験型一次情報」です。

「客観的に正しいこと」を書こうとすると、どうしても他サイトの焼き直し(二次情報)になりがちです。しかし、そこにあなたの生身の感情や実体験が混ざることで、記事に血が通い、読者の共感を生む独自性が宿ります。

まずは「調べたこと」を書くのではなく、「自分が体験したこと」を言葉にすることから始めてみましょう。

後述しますが、自分自身の体験の合理性に不安がある場合には、公的機関など他者が公開している調査結果などのエビデンスを添えると説得力が増します。

AIで架空の体験談を捏造するのはNG

AIの進歩は凄まじく、ぱっと見には人間が書いたものと区別がつかない文章を書くようになっています。「体験した人になりきって感想を書いて」などと指示をすれば、架空の体験談を作ることもできてしまいます。

ですが、そうした体験談の捏造は、最も避けるべき禁じ手です。人間が書いた本物の体験談に含まれる「特有のノイズ」をGoogleがどう評価し、なぜ偽物は検索結果から排除されるのか。その仕組みを理解することで、一次情報の真の価値がより明確になります。

以下の記事で、Googleが嘘を見抜く仕組みについて解説していますのでご一読ください。

そもそもの話、情報を捏造するのは読者に対しても不誠実です。

Level1:アクセス解析データを活用する

個人の体験談に次いで、手っ取り早く、誰でも活用できるのが、アクセス解析ツールから集める情報です。Webサイト運用をしていれば、何らかのアクセス解析ツールを使っている方も多いことでしょう。

例えばGoogleアナリティクス(GA4)は、使ったことはなくても耳にする機会はあるはずです。Googleアナリティクスは、設定次第ではコンテンツのネタになる一次情報を集めることも可能です。

サイト内検索

サイト内検索キーワードが、Googleアナリティクスで見られる情報で最もわかりやすいかもしれません。

WordPressを使っていれば、多くのサイトで以下のようなサイト内検索ボックスを設置していることと思います。

検索ボックスのイメージ

この検索ボックスでユーザーが実際に検索したキーワードを見たことがあるでしょうか?

以下の画像は、実際に私のサイトの検索ボックスに入力されたキーワードです。設定次第では、このような形でサイト内検索キーワードを見ることができます。

自分のボキャブラリーにはないキーワードを得られることもあるので、データが溜まってくると見応えがあります。

サイト内検索のデータを集めるためには、検索窓を設置するだけでは不十分で、「カスタムディメンション」の設定が必須となります。

カスタムディメンションが何なのかわからない方も多いと思いますので、「ディメンション」という言葉から解説しておきます。

ディメンションというのは、データの切り口のことをいいます。例えば「ページ別」や「流入元別」といった形でGoogleアナリティクスのデータを見る方も多いと思いますが、この「ページ」や「流入元」というのがディメンションです。

「カスタムディメンション」というのは、独自のディメンションを作るためのGoogleアナリティクスの機能です。サイト内検索キーワードは、データ自体はデフォルトで取れているのですが、そのままではレポートの中に表示することができません。

この隠しデータのようになっている「サイト内検索キーワード」は、カスタムディメンションを登録することで見られるようになります。

以下の手順で、「カスタム定義」のメニューから「search_term」というカスタムディメンションを設定してみてください。

カスタムディメンションの登録方法

設定後は、「search_term」をディメンションとしてレポートの中で使うことができるようになります。

サイト内検索イベントの設定方法について、詳しくは以下の記事で解説しています。

目次のクリックデータ

目次のクリックデータも、貴重な情報源になります。

この記事の冒頭にも目次が表示されていましたよね。目次は通常、ユーザーにとってのナビゲーションの役割になります。ユーザーがクリックしたということは、つまりユーザーの興味をそそる内容だということです。

目次のクリックデータを計測するには、Googleタグマネージャーによる設定が必要です。正しく設定すれば、クリックされた箇所のテキストデータを取得できます。

この方法は以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方は設定してみてください。

FAQのクリックデータ

「よくある質問」という形でFAQページやFAQセクションを設けているサイトも多いと思います。以下のようにアコーディオン形式になっているものをよく見かけます。

FAQのイメージ

FAQの本来の役割は、お客さんの疑問をサイト内で解消することですが、一次情報を取得するためにも使えます。前述の目次クリックでも触れたように、ユーザーがクリックした箇所のテキストデータを取得するということですね。

よくクリックされるFAQ項目も、目次と同じようにユーザーの興味関心が現れたものといえます。

ただし気をつけたいのは、FAQから得られる情報”だけ”では役に立たないということです。

FAQに載せるテキストは、サイト運営者側が選定したものであり、ユーザーはそれを見せられたからクリックしただけです。「どの項目への関心が高いか」という以上の情報は取れません。

ですので、例えばアンケートを取るときの項目選定や取材の時の質問時に「あたりをつける」というように、他の手法と組み合わせて使うのが良いでしょう。

FAQのクリックデータの計測は、ボタンクリックの設定を応用するのがわかりやすいかもしれません。以下の記事でボタンクリックイベントの設定方法を解説していますので、チャレンジしてみてください。Googleタグマネージャーの使い方に慣れている方なら、それほど苦労せずに設定できるはずです。

簡易アンケートのクリックデータ

本格的なアンケートについては後のセクションでも書きますが、ここで紹介するのはWebサイト上に設置する簡易的なアンケートです。回答データをGoogleアナリティクスで取得するため、このセクションに含めました。

アクセス数が多いサイトであれば、ページ上で簡易的なアンケートを取ることもできます。

例えば私は、とあるスポーツに特化した月間10万PVほどのWebサイトをM&Aで購入し運営しています。このサイトはPVは多いものの、広告による収益が思うように上がらないのが課題でした。記事と親和性の高い広告を掲載しているにもかかわらず、クリックすらされないのです。

メインの広告にしているのが特定のスクールの商標だったのですが、私には1つの仮説が浮かんでいました。

「もしかして、すでにスクールに通っている人が大半なのでは?」

すでにそのスクールに通っている人は、コンバージョンをするはずがないですよね。この仮説が正しければ、収益化の方向性を変えなければいけません。

そこで、サイトのユーザーに簡易的なアンケートを実施してみることにしました。以下の画像のようなアンケートを「WPForms」というWordPressプラグインで作り、ページの冒頭にウィジェットで配置してみたのです。

実際に設置した簡易アンケート
※伏字の部分はスクールの固有名詞です。

アンケートの結果は、仮説通り「◯◯に通っている」が圧倒的多数。おそらくユーザーは、スクールで学んだことの復習としてこのサイトを見ているのでしょう。

この結果を受けて、コンバージョンポイントをスクールへの入会ではなく、上達を助けるグッズの提案に方向転換しました。広告のクリック率は見違えるほど変わり、収益性も上げることができました。

私のケースでは広告選定という目的で使いましたが、コンテンツの方向性を決めるという目的で使うのも効果が高いはずです。サイトに訪れるユーザーがどんな人なのか、アクセス解析ツールだけではわからないデータを集めてみましょう。

Level2:アンケートを取る

お客さんに本格的なアンケートを取るのも有効です。

前の章のGoogleアナリティクスのデータは受動的に取得するデータでしたが、アンケートはこちらから取りに行くデータです。なので、ある程度集める情報をコントロールできます。

「答えること」自体をインセンティブにする

では、どこでアンケートを取るのかという話です。一般的にはクラウドワークスなどを使い「1回答あたり10円」のような形で実施するのでしょう。ただ、私はお金をかけて取ることはおすすめしません。お金がインセンティブになると、信頼性の高い回答が集まりにくいからです。また、自社で扱う商品がニッチな場合、そもそもアンケートに答えてくれる人が見つかりません。

有効なアンケート回答を得るためには、「アンケートに答えること」そのものがインセンティブになるような媒体上で行うのが理想です。

アンケートは自社媒体で実施する

例えば自社で発行しているメルマガなら、読者は基本的には「見込み客」と呼べる人が大半でしょうから、本質的な意見が集まりやすいはずです。また、アンケート結果を商品に反映できるため、「アンケートに答えること」自体がお客さんにとってのインセンティブになります。

「あなたが疑問に思っていることを教えて欲しい」とストレートに伝えてみましょう。深い悩みを抱えたユーザーは、「待ってました」とばかりに答えてくれるはずです。

私の場合には、Udemy講座の受講生に向けてアンケートを実施しています。Udemyでは、個人情報を取得しなければ、受講生に向けてアンケートを実施することが許されています。「講座をより良くするために必要な要素は何か」という方向性のアンケートを実施することで、既存コンテンツの強化や新規コンテンツの作成に生かしていきます。

脚注:Udemyとは

Udemyというのは、世界最大級のオンライン学習プラットフォームです。私はそこでマーケティング関連の講師をしています。

Level3:UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用する

ユーザー生成コンテンツ(UGC)というのは、その名の通りサイトを利用したユーザーが作ったコンテンツのことです。

代表的なものでいうと、ブログのコメント欄やショッピングサイトのレビューがUGCにあたります。

UGCの活用については、主にSEOの文脈で語られることが多いですが、コンテンツ制作においても重要です。まさにユーザーの疑問やニーズが可視化されたものだからですね。

コメントやレビューは、時に辛辣な意見が書かれることもあります。誤りを指摘されることもあるでしょう。そうしたユーザーが書いてくれた内容をもとに、コンテンツを修正したりブラッシュアップができるということです。

私の場合には、Udemy講座を出していますので、レビューやQ&Aからいただく意見をもとにコンテンツのブラッシュアップを行っています。また、書いていただいた内容をもとに記事にする場合もあります。

当サイトのコメント欄について

このサイトも、長らくコメント欄をオフにしていました。ユーザーからの指摘が怖かったからです。ただ、コンテンツも増えてきたので、この機会にコメント欄を解放します。もし何かご意見や要望などがあれば、ぜひ書き込んでみてください。

Level4:取材する

一次情報を取得する上で、最も重要なのが取材です。ユーザーに直接インタビューをして意見や要望を聞くということですね。

取材をするのは時間がかかりますし、心理的なハードルも高いでしょう。その一方で、「最強の情報収集」とも言えるものでもあります。取材は他の情報収集手法では得られない、「ユーザーが言語化できていない潜在的な悩み」も拾うことができるからです。

ここまで紹介してきたキーワードやアンケートに頼る方法は、ユーザーが言語化できている悩みしか取得できません。ですが、言葉にできるような悩みは、それほど深刻なものではない場合が多いのが普通です。そこで必要なのが取材というわけです。

取材といっても大袈裟に捉える必要はありません。クライアントワークをしていれば、お客さんとの商談があると思いますが、これも立派な取材です。

私が以前働いていた会社では、既存顧客に営業に行くことを「取材」と呼んでいました。あなたがクライアントワークをしているなら、お客さんとの打ち合わせや商談を「取材」と捉えてみると、話す内容も変わってくるかもしれません。

私の場合には、主にクラウドソーシングサイトで取材をしています。

お金を払って募集するわけではありません。「課題解決」を商品として出品し、それを買っていただいたお客様から話を聞くということです。

お金をもらって取材をするメリットは、「お金を払ってでも解決したい」という深い悩みが聞けるということです。情報源としては最も価値があるといっても過言ではありません。

クラウドソーシングで相談をしてくるお客さんは、解決策が見つかる前の悩みを持っていることが多いです。そこで、私が持っている知識を提供することで、「課題と解決策」というセットが手に入ります。

ここでは便宜上「取材」と読んでいますが、依頼を受ければ当然ながら取材どころではありません。お客さんの課題解決に全力投球です。お客さんの悩みを解決する過程で得た経験が、一次情報として私の中に蓄積していくのです。そうした身をもって体験した情報をもとにすることで、現実味のあるリアルな文章を書くことができます。

繰り返しになりますが、取材をするときに重要なのは、「お金をもらう」という点です。「お金を払ってでも解決したい」という深い悩みを手に入れるのが重要だからです。

こうして手に入れた情報をもとに、このサイトやUdemy講座などの私のコンテンツは出来上がっています。

集めた一次情報の使い方

では、ここまでに集めた一次情報を、どのようにコンテンツ作成に活用していけば良いのでしょう。それぞれのレベル別で解説します。

Level 0:個人体験の使い方

自分自身の経験をコンテンツ化する時のポイントは、事実(やったこと)と自分の感想をセットで伝えることです。

「〇〇をしました」という事実だけを並べても、それは単なる活動報告です。そこに「どう感じたか」「なぜそう思ったのか」というあなたの主観を乗せることで、初めて読者が共感し、自分事として捉えられる「独自のコンテンツ」に変わります。

さらに一歩踏み込んで、その情報の「解像度」を上げるために意識してほしいのが、「なぜ?」を繰り返して自分の感想を深掘りすることです。

ビジネスの現場で問題解決に使われる「なぜなぜ分析」を、コンテンツ制作に応用してみましょう。自分の感想に対して「なぜそう感じたのか?」を3回ほど問い直すだけで、ネットのどこにもないあなただけのインサイト(洞察)が浮き出てきます。

例として、「新しいAIツールを導入して、議事録の作成時間が1時間短縮された」という体験をもとに考えてみます。

事実: AIで議事録作成時間が1時間短縮された。

  1. 深掘り1(なぜ時短になったのか?): 録音データから「重要ポイントの要約」と「ネクストアクションの抽出」をAIが自動で行ってくれたから。
  2. 深掘り2(なぜ自動要約があると違うのか?): これまでは「手書きのメモを読み返してテンプレートに沿って整える」という、苦行のような単純作業に精神的なエネルギーを削られていたが、その心理的ハードルが消えたから。
  3. 深掘り3(なぜそれが重要なのか?): 「発言を記録する」という作業から解放されたことで、会議直後の最も記憶が鮮明なうちに、「決定事項をどう実行に移すか」という、より上流の戦略的な思考に脳のリソースを100%割けるようになったから。

上記はかなりありきたりな内容ではありますが、実際に「なぜ?」を深掘りする段階で、「議事録に記載がなかったことでクライアントと『言った、言わない』のトラブルになった」などといった生々しい体験を思い出すはずです。そうした体験こそが、「体験に裏打ちされた読む価値のあるコンテンツ」となるのです。

もし「自分の体験や感想だけでは、単なる独りよがりにならないか不安だ」と感じる場合は、前述した公的な証拠資料(エビデンス)を添えてみましょう。「自分の実感」と「社会的な事実」が結びつくことで、記事の説得力と信頼性は最大化されます。

Level1:アクセス解析データの使い方

アクセス解析ツールから得られる情報というのは、基本的にはキーワードのような断片的な情報です。もちろん、そのままコンテンツとして使うことはできませんが、キーワード自体がコンテンツの種になることがあります。

当サイトの例を1つ挙げます。このサイトでは、サイト内検索や目次のクリックデータから「ボタンにidを付与する」ということについて関心の強いユーザーが多いことが把握できました。

目次クリックイベントで取得したテキスト

ただ、このニーズに答えるには、じっくりと動画で解説した方が理解ができるだろうと考えていました。そこで、その後作成したUdemy講座では、ボタンのHTMLやCSSの仕組みについて40分にわたり詳細に解説するセクションを作りました。

このように、断片的な情報を集約することで、1つの大きなコンテンツになるということです。

Level2:アンケート結果の使い方

アンケートのデータは、公開しても良いものであれば、そのまま調査結果としてコンテンツにすることも可能です。

調査結果をもとに、例えば以下のようなグラフを作っても良いでしょう。

アンケートデータのサンプル

自由記入のアンケートであれば、ユーザーからの要望や質問が書かれることもあります。そうした内容は、その質問に答える形でブログやYouTube動画としてコンテンツを作れます。

また、うまく設計したアンケートの場合には、ユーザーの課題の重要度が高いものを数値で把握することもできるので、今後作成するコンテンツの方向性を決める指針にもなります。

Level3:ユーザー生成コンテンツの使い方

ユーザー生成コンテンツは、そのままでもコンテンツとしては機能します。例えばブログのコメントやUdemy講座のQ&Aなら、コンテンツ提供者から回答をすることもできるので、「悩みと答え」をセットで発信できますよね。

ただ、UGCはユーザーの言語化能力に依存してしまうので、そのままではコンテンツとして成り立たない場合もあります。より発展させて、ユーザーからもらった質問とそれに対する回答を整理して、ブログ記事やYouTube動画として発信するのもありだと思います。

私の場合には、ユーザーからもらった質問などを編集した上で、部分的にコンテンツの一部として取り入れて活用しています。

ユーザーから手に入れた情報を、どのように発信ネタとして使うかは、以下の記事でも触れています。

Level4:取材内容の使い方

取材内容については、基本的にはユーザー生成コンテンツと同じく、「課題」と「解決策」のセットでコンテンツにすることが可能です。

例えば以下の記事は、ユーザーへの取材をもとに書いています。GA4のレポート画面でセッションの合計値に疑問を感じたお客さんからの質問がヒントになっています。

他の収集方法にはないメリットは、ユーザーの課題が自分の体験としてインプットされるという点です。取材した内容をもとに書くことで、「なぜそこに疑問を抱いたのか」という背景情報なども詳細に知ることができるため、読者側としても「自分ごと」として捉えやすい記事を作ることができます。

誰にでも思考の癖があります。お客さんから聞かれて初めて気づける疑問もあるので、そうした気づきも含めて自分のものにできるというのは大きいですね。

生成AI時代に「一次情報」が生存戦略となる理由

「ブログには一次情報や体験を入れるのが重要だ」といわれるようになって久しいですが、一次情報というものは本来「意識して入れるもの」ではないはずです。自分が書く文章である以上、手に入れた情報や経験は自然と「入ってしまう」のが健全な姿です。そうでなければ、そもそもあなたがその文章を書く必要がありません。

実際に、検索結果という世界を作る「神」であるGoogleも、一次情報のないコンテンツを評価しなくなってきています。

Googleは「すでに知っている情報」を欲しがらない

今に始まったことではありませんが、Googleの特許やガイドラインの端々には「独自の情報があるか?」という考え方が現れています。代表的なものが、Google検索セントラルにある以下の記述です。

コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。

Google Search Central

AIがネット上の情報を学習し、数秒で「それっぽい回答」を出す現代において、他人のサイトやYouTubeを参考にして書いた記事は、Googleから見れば「既成商品のラベルを貼り替えただけの二番煎じ」に過ぎません。Googleはそんな「コタツ記事」をインデックス(検索結果に登録)する価値がないと判断し始めています。

Googleのサーバーも有限である

Googleがコンテンツの独自性にこだわるのは、「サーバーリソースの限界」という物理的な側面もあります。

世界中で毎日生成される天文学的な数の記事をクロールし、インデックス(保存・登録)するには、莫大な電気代とサーバー維持コストがかかります。Googleにとって、既にある情報の焼き直しを再び保存することは、何の利益も生まない「純粋なコスト増」でしかありません。

そこで機能するのが、Googleが取得した特許「Information Gain Score(情報の利得スコア)」という考え方です。これは、ユーザーがすでに閲覧した情報と比べ、その記事に「どれだけの新しい追加情報があるか」を測定するものです。

サーバーは有限、でもコンテンツは無限に増え続ける。そんなジレンマに追い詰められているからこそ、Googleは価値のない重複情報を本気で切り捨てにかかっているのでしょう。

「Webライター」から「新聞記者」への脱皮

ここで問われるのが、書き手の存在意義です。一昔前のライティング教材には「上位サイトを参考にリサーチしよう」と書かれていましたが、これからの時代、私たちが手本にすべきはWeb上のまとめ記事ではなく「新聞記者」の動きです。

私はかつて業界紙の記者をしていましたが、記者のプロセスはWebライターのそれとは決定的に違います。一番の差は「取材の有無」です。記者は一つのトピックに対し、経営者、現場の専門職、一般ユーザーなど、複数の対象者に直接話を聞きます。

  • 情報収集: ネットや本にある既知の情報を集めること
  • 取材: 現場に足を運び、当事者の声を聞き、自分の体験として取り込むこと

その結果、さまざまな視点が手に入り、文章に立体感が出てきます。また、取材で得た情報は他人の体験ですが、「取材をした」という体験は自分だけのものです。記者の個性が消された新聞記事であっても、情報の密度がWebライターの書いた記事と一線を画すのは、このプロセスの差によるものです。

集めた一次情報は生成AIの「餌」にもできる

最近は生成AIで記事を書く方法も徐々に広がってきました。AIの素晴らしいところであり、厄介なところでもあるのが、「誰でも簡単に、それっぽい文章が作れてしまう」という点です。

私も実際、このサイトも含めたいくつかのサイトでAIで書いた文章を使っています。ただし、AIに「◯◯のキーワードで記事を書いてください」という単純なプロンプトでは、思った内容は引き出せません。ここでも、やはり「一次情報」がカギになります。

AIで記事を書く際にも、自分の体験や主張を盛り込むことで、非常に質の高い記事を作ることができます。AIの「それっぽい文章を作る」という特徴は、こうした「自分しか持っていない情報」を与えた時にこそ真価を発揮するのです。文法が整っていない箇条書きのメモのような体裁でも構いません。自分の経験をAIに与えてみてください。AIがそれを綺麗な文章に整えてくれるはずです。

一次情報をもとにAIと一緒に記事を書く方法については、以下の記事にまとめましたので参考にされてください。

より体系的にまとめてUdemyコースもリリースしました。以下のページで割引クーポンを配布しているので、興味のある方はこちらもチェックしてみてください。

「共創型AIライティング」実践講座

「伝えたいけど言葉にできない」「時間がない」という方が、生成AI(ChatGPT)と協力しながら「自分らしい文章」を書けるようになるための講座です。

「公的一次情報」を独自の主張を盤石にするエビデンスとして使う

冒頭で「公的情報は厳密には一次情報ではない」という主張をしていますが、それらのデータを軽視していいわけではありません。

むしろ、「独自の体験」と「公的データ」を掛け合わせることこそが、SEOにおける信頼性(E-E-A-T)を担保する最短ルートになります。

個人の体験を「社会的な事実」に昇華させる

個人の体験や少人数のアンケート結果だけでは、どうしても「それはあなたの感想ですよね(あるいは特殊な例ですよね)」という反論の余地を与えてしまいます。そこで公的一次情報の出番です。

  • 独自の主張(体験):「私の身の回りでも、生成AIの利用が増えてきました」
  • 公的データ(裏付け):「経済産業省の調査によると、生成AIを業務に取り入れている企業の割合は◯%にまで増加」

このように、自分の足で稼いだ「実感」を、公的な統計という証拠で裏付けることで、あなたの主張は一個人の主観から、「社会的な裏付けのある確かな情報」へと昇華されます。

「信頼のレバレッジ」を効かせる

Googleは、発信者の専門性だけでなく「その主張が客観的事実に基づいているか」を厳格に評価します。

For informational pages, consider the extent to which the content is factually accurate.

(情報ページの場合、コンテンツが事実に基づいているかどうかを考慮します)

Google検索評価ガイドライン

公的機関のサイト(.go.jpなど)へ適切に引用リンクを貼り、そのデータと自分の考察をセットで提示することは、公的機関の持つ巨大な「権威性」を自分の記事にレバレッジ(テコの原理)として効かせる行為です。

「誰でも手に入る情報」だからこそ、それを「自分にしか語れない文脈」の証拠資料としてどう配置するか。この編集力こそが、解析士や専門家としての腕の見せ所と言えるでしょう。

まとめ

ここまで、一次情報を取得する方法とその活用方法について書いてきました。

「ハードルが高い」と感じるものも多かったかもしれませんが、手をつけられるところからチャレンジしてみてください。

最初の方で出てきたGoogleアナリティクスを使う手法は、意外な盲点だったのではないでしょうか?早速カスタムディメンションを設定し、ユーザーがサイト内でどんな検索をしているのか把握してみてください。

コンテンツを発信する側に回ると、どうしてもユーザーの気持ちがわからなくなる場面があります。ユーザーと直接対話をすることで、「どんなことでつまずくのか。理解しづらいのか」という点が明らかになります。自分を客観的に見るためにも、一次情報を集めることは有効です。

生成AIによるコンテンツが増えていく時代、「他とは違ったユニークな記事を書く」ということが求められます。AIが持っていない、実体験や独自調査などの一次情報の重要度が上がっているということですね。

実際にChatGPTに聞いてみたところ、以下の画像のように答えてくれました。

ChatGPTへの質問

AI自身も人間のリアルな情報を求めています。前の章で書いた通り、AIで記事を作成する際にも上記のような情報をインプットした上で書いてもらうと、かなりクオリティの高いものが仕上がります。

コンテンツをAI生成する場合にも備えて、今のうちに人間しか持ち得ない情報を集めておくと良さそうです。

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屋嘉比 馨
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
ウェブ解析士協会所属・ウェブ解析士。
ラジオ局、広告代理店などに勤務ののち、大手SIerのWebマーケティング担当に。主にオウンドメディア、広告運用にて営業リード・採用応募獲得に貢献。
2022年に独立し、ボーダーヘイズ・ジャパンを設立。
これまで100サイト以上の改善・計測環境構築に貢献した経験をもとにUdemy講師としても活動中。受講生4,600人以上、Udemy Business認定コースも含めベストセラーコース5本を抱える。

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