サイト設計が苦手な人のための「書きながら育てる」ブログ戦略

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「ブログを始めるなら、まずはサイト設計から」

そう言われると、何から手をつければいいか迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。「情報アーキテクチャ」「トピッククラスター」「キーワード戦略」etc…まるで設計図を完璧に仕上げないとスタートできないような空気さえあります。迷った末、今日も発信を後回しにする。

でも、そこで立ち止まってしまったら本末転倒です。大切なのは、「発信を止めない」こと。設計を完璧にする前に「とりあえず書いてみる」というアプローチでも、十分に意味があります。

「でも、それって行き当たりばったりなんじゃ…?」 そんな声が聞こえてきそうですが、行き当たりばったりではだめでしょうか?

私自身、当サイトを「行き当たりばったり」で運営しています。それでも多くの記事が主要なキーワードで検索上位に表示されていますし、サイトの発信内容をもとに作成したUdemy講座はベストセラーを取ることもできました。最初から「設計しなきゃ」と考えていたら、おそらく途中で投げ出していたことでしょう。

この記事では、「設計が面倒」「やる気が削がれる」という人のために、「書きながら設計する」という私の発信方法を紹介します。

「設計してからじゃないと始めちゃいけない」と思い込んでいた方は、ぜひ一度目を通してみてください。

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「設計しなきゃ」と思った瞬間に止まる人たちへ

集客のためにブログ開設を思い立ち、「まずはサイト設計をしよう」と考えるのは自然な流れです。読者ターゲットを定め、ペルソナを設定し、コンテンツの分類と流れを決めて…と、いわゆる「正しいプロセス」はたくさん紹介されています。実際、サイト設計をきちんと行えば、ターゲットに届きやすく、成果も出やすいというのは事実です。

ただし、それはあくまで「理想論」です。

現実には、そうした設計のステップを踏む前に、「うわ、なんか難しそう」と手が止まってしまう人が多いのではないでしょうか。

もちろん、私自身もWeb制作やコンテンツ戦略の支援をする立場として、「設計の重要性」はよく理解しています。ただ同時に、「その設計を完璧にしようとして、何も発信できなくなるくらいなら、まずは1記事でも多く書いた方がいい」とも思うのです。

私自身が選んだ「とりあえず書く」という戦略

私はクライアントのWebサイトを設計するときには、当然ながら全体の構造をしっかり描きます。誰に届けるのか、どんなニーズがあるのか、どの順序で何を伝えるべきか。いわゆる「王道のサイト設計」を踏襲します。

図にすると、以下のような感じです。

理想の記事制作のイメージ

土台にコンセプトと設計があり、記事はその上に積み上げていくもの、こんなイメージになります。

ですが、自分自身の発信となると話は別です。

正直に言えば、私は「設計」があまり得意ではありません。きちんとやろうとすると時間もかかるし、何より気が重く、途中で「やっぱ辞めた」となってしまうのです。だからこそ、自分のメディアに関しては、「まず書く」「書きながら整える」という方法をとっています。

先ほどの図を使うと、以下のような感じです。設計をすっ飛ばして、いきなり記事を書いてしまうというわけです。

「とりあえず書く」方式の記事制作のイメージ

当サイトを始めたときにも、最初に「自分が伝えたいこと」や「クライアントからのよくある質問」を中心に20記事ほどを積み上げました。10記事目くらいからは、それまでに書いた記事から「この内容も書かなきゃ」とネタが見つかることも増え、だんだんと記事を作ることが楽しくなってきたことを覚えています。

そうして記事を増やしていくと、次第に「サイト設計らしきもの」の輪郭が見えてくるのです。「このテーマ、もっと掘り下げられそう」といった気づきが自然と生まれてくる。さらに、関連する記事同士をリンクで繋げば、いわゆる「トピッククラスター」は自然と出来上がります。

記事が増えるにつれて、設計らしきものが見えてくるイメージ

設計図を描いてから手を動かすのではなく、手を動かしながら設計図を描いていくイメージです。逆に言えば、最初から完璧な設計図なんて、現実には描けないのかもしれません。

とにかく、「モチベーションを保つこと」。これが情報発信において最も大切なことだと私は考えています。

読まれやすい記事ネタを探す方法は、以下の記事で紹介しています。こちらを参考に、「とりあえず」でいいので記事を書いて公開してみてください。

書きながら見えてくるもの

「とりあえず書いてみる」やり方には、もうひとつ大きな利点があります。それは、書いた記事が読まれた「結果」から、思いがけない発見があるということです。

「結果」というのは、Webサイトから得られる「データ」のことを指しています。Search ConsoleやGoogleアナリティクスを最大限に使い、ユーザーの「声」に耳を傾けるということです(当サイトで散々提唱していることですね)。

たとえばSearch Consoleからは、検索順位やCTRから「ユーザーのニーズを満たしたキーワード」や「まだ応えられていないキーワード」が見つかります。キーワードを見て「この内容はサイトに必要だ」と、次の記事ネタにすることもできるのです。

Googleアナリティクスでは、「サイト内検索キーワード」や「クリックされた目次」のデータを中心に見ています。これらは、「サイトに訪れたユーザーがどんなことに興味を持ったのか」を知るためのヒントとなります。

こうした気づきは、コンテンツを世に出さなければ得られない「生の情報」です。最初に緻密な設計をしていたら得られなかったかもしれません。

また、試しに書いた記事が意外と読まれるという体験は、次の発信への大きな原動力になります。モチベーションを保つという点でも、「先に書く」ことには十分な価値があるのです。

つまり、記事を出してみること自体が、リサーチであり、設計の一部にもなりうるというわけです。

サイトからデータを獲得する方法

上記で紹介した「サイト内検索キーワード」や「クリックされた目次」のデータを取得する方法については、以下の記事をご覧ください。

とはいえ、最低限のコンセプトだけは決めておく

「とにかく書けばいい」とは言っても、何も考えずに闇雲に記事を書いていけばいいというわけではありません。ここで大切なのは、最低限のコンセプトだけは決めておくことです。

コンセプトと言っても、難しく考える必要はありません。「誰の、どんな悩みを解決するブログなのか?」という問いに、シンプルに答えられればOKです。

たとえば当サイトは「スモールビジネスを運営する方が、Webを使って成果を上げるヒントを伝える」ことをコンセプトにしています。なので、私が書く記事は自然と「アクセス解析」「コンテンツ制作」「Webサイトの改善」といったテーマに収束していきます。逆にいえば、この軸さえ持っていれば、日記や関係のない雑記を書くこともなくなるのです。

1つ注意したいのは、コンセプトは必ず「自分の本業のお客さんの役に立つ内容」にする必要があるということです。ビジネスにつながらなければ、ただの趣味ブログになってしまいますからね。

記事を書くときに、「この発信内容で、クライアントを救うことはできるか?」と自分に問いかけてみましょう。それだけで、発信の方向性はぶれなくなります。

「とりあえず書く」を、AIで加速させる

最近では、AIの力を借りて「とりあえず書く」プロセスを、高速に進めることができるようになっています。

たとえば、ChatGPTのような生成AIツールに「こういう悩みを抱える読者に向けて、こういうテーマで記事を書きたい」と伝えるだけで、ベースとなる下書きが数分で出来上がります。それを自分の視点で整えていけば、1本の記事は思ったよりも簡単に形になります。

この方法で、まずは20記事ほどを一気に書き上げてみるのです。できあがった記事を眺めながら、「どんな悩みを解決しているのか」「どんなテーマが繰り返し出てきているか」を分析すれば、そこから「設計の素地」が見えてきます。

「設計をしっかりやりたいけど、何から始めればいいかわからない」と感じている方は、まずはAIを使って「仮の発信」を積み上げるのも1つの方法です。

AIライティングの方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

「AIを使ってSEOに効果あるの?」「ペナルティを受けるのでは?」と心配な方もいるかもしれません。以下の記事で、「生成AIで記事を書くことによるSEOへの影響」について私の事例をもとに解説しています。

まとめ

ブログやコンテンツの設計は、本来とても大切なプロセスです。しっかりと設計されたサイトは、読者にとってわかりやすく、成果にもつながりやすい。それは間違いありません。

でも、その設計にこだわりすぎて、一歩も踏み出せなくなるのなら、思い切って「設計は後回し」にしてみてもいいのです。まずは書くこと。書きながら、読者の反応を見ながら、必要なものを少しずつ足していく。その過程のなかで、自然と「設計図らしきもの」が見えてきます。

コンテンツ制作で一番避けたいのは、モチベーションが下がってしまうことです。だからこそ、「完璧な設計」にとらわれすぎず、まずは手を動かしてみましょう。

それが、継続のコツでもあり、最終的には成果に近づくための最短ルートになるはずです。

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屋嘉比 馨
ボーダーヘイズ・ジャパン代表
ウェブ解析士協会所属・ウェブ解析士。
ラジオ局、広告代理店などに勤務ののち、大手SIerのWebマーケティング担当に。
2022年に独立し、ボーダーヘイズ・ジャパンを設立。
これまで100サイト以上の改善・計測環境構築に貢献。

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